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OVA 舞-乙HiME FINAL
GATHERING MYTHOLOGY

これは 命を超えた ユメミヤ・アリカ最後の神話である

我々は忘れてはならない。
惑星エアル。
青く美しき星を守り抜いたオトメの伝説を……。
しかし、今また。
この星に新たな驚異が迫りつつあることを、我々は誰一人として知る由も無かった……。

第一話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
蒼き星からあの少女が帰還するとき、最強最速のオトメ伝説が幕を開ける。
立ち上がれ、我らがアリカ!
粉砕せよ、新たな敵を!
舞-乙HiME FINAL「蒼天の青玉新生!」
君も1stステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第一話 「蒼天の青玉新生!」
あらすじ
 ヴィントブルーム王国の辺境。そこに、かつてのオトメ、ニナとその伴侶セルゲイが暮らしていた。過去の戦いやしがらみを捨て、平和に暮らす二人の前に一人の少女が現れた。存在しているはずのない少女に姿に驚くニナ。少女は、懐かしい微笑みをたたえながら、ニナに攻撃を仕掛けてきた。
 ヴィントブルーム王国女王マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルームは、彼女のオトメ、アリカ・ユメミヤと共に世界初の万国博覧会が行われるフロリンスへ訪れていた。真夏に雪が降るという異常気象の中、フロリンスのオトメ“螺旋の蛇紋石”シホ・ユイットは、アリカとマシロを引き連れいつになく自慢げにパビリオンを案内していた。シホの案内に少々げんなりしていた最中、事件は起こった。
 万国博覧会のために建設されたエッフェル塔の側で、シュバルツ最後の生き残り、元作戦指揮官ギムレットがスレイブを召喚した。それは、ただのスレイブではなかった。ギムレットが発見したOパーツと呼ばれる謎の物質によってパワーアップした強化スレイブである。ギムレット自身が人型の内骨格フレームに変化し、四方から集まったスレイブを取り込んでいく。内骨格フレームの外に、白い布を全身に巻き付けたような外殻が形成された。強化スレイブ“ギムレット・アンプルーレ”は、驚くことにシホのマキマキ重力波すら跳ね返した。招待された他の国のオトメたちも参戦するが、今までと明らかに違うスレイブに防戦一方。アリカは、自分の参戦すべくマシロに認証の要請をした。“蒼天の青玉”ローブを纏ったアリカは、エレメントで“ギムレット・アンプルーレ”を斬りつけるもすぐに再生されてしまう。だが、戦いの最中に“ギムレット・アンプルーレ”が再生される度に、身体の中央のOパーツが光ることに気がつく。そこが狙いだと気付いたアリカは、周りのオトメたちの援護を受けて、身体の中央にあるのOパーツに向けてエレメントの力を解放。最後の“ギムレット・アンプルーレ”は光の粒子となり、Oパーツだけを残して消滅した。
 Oパーツは、すぐにガルデローベ学園の地下研究室へ運ばれた。だが、一人の少女によって持ち去られてしまう。少女の名は、エルスティン・ホー。かつての戦いで命を落とした、あの少女であった。
第二話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
謎の物質Oパーツを巡る新たな戦い。
神の悪戯がアリカとエルスティンを対決の運命へと導く。
蒼天の青玉対綵雲の薔薇輝石!!
真のオトメはどっちだ!
舞-乙HiME FINAL「蒼天の青玉!嵐の決戦!」
君も2ndステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第二話 「蒼天の青玉!嵐の決戦!」
あらすじ
 先日の戦いで回収したOパーツは、オトメの厳重な保護の下ガルデローベの地下研究室へ運ばれた。科学者のヨウコ・へレネと助手のパールオトメ、イリーナ・ウッズは、早速Oパーツの解析にとりかかる。そこに、突然パールオトメの制服を着たエルスティン・ホーが現れた。彼女の掌からほとばしる波動が、解析装置を粉々に破壊する。間近で破壊に巻き込まれたイリーナは、吹き飛ばされ階下の床に叩きつけられた。エルスティンは、ものを言わないイリーナに一瞥くれると、無言のまま装置の中のOパーツを取りだし、地下研究所を出て行った。
 一方、辺境で暮らすニナは、謎の襲撃を受けて傷つきベッドで横になっていた。今までと逆にセルゲイの看病を受けるニナは、彼から襲いに来た少女のことを聞かれる。複雑の表情を浮かべながら、少女がガルデローベ学園で同級生だったエルスティンであることセルゲイに告げる。しかし、ニナは納得できない。エルスティンは死んだはずなのだ。自分の、そしてセルゲイの目の前で。どうにも胸にわだかまりを覚えるニナは、セルゲイにお願いして、再びガルデローベ学園に向かうこと決意した。
 ガルデローベ学園の襲撃を聞きつけたアリカは、Oパーツを奪い、イリーナの命も奪ったのが生き返ったエルスティンと聞いてショックを受ける。マシロはヴィントブルーム全体に厳戒態勢を敷いて、軍の情報部にエルスティンの捜索させた。しかし、判ったのはエルスティンがすでに国外へ逃亡しており、今度はルーテシア・ロムルスの研究所を襲撃していたことだった。ただちにルーテシア・ロムルスへ向かったアリカが見たのは、マイスターローブにマテリアライズした“綵雲の薔薇輝石”エルスティンだった。エルスティンは、配置された戦車隊を容赦なく薙ぎ払う。アリカはエルスティンを説得するが、全く言うことを聞かない。アリカは、苦悩するも戦うことを決意する。エルスティンに必殺の“BOLT FROM THE BLUE”の構えを取るアリカ。対するエルスティンも、美力“ファイナルバストインパクト”の構えでアリカを迎え撃つ。両者の必殺技は正面からぶつかった。五分に見えた両者の力だが、アリカのオトメとしての使命と勇気ある心の差が勝った。アリカの“BOLT FROM THE BLUE”が、エルスティンのエレメントを粉々に砕いた。エルスティンは、再び消滅した。親友と戦った悲しみに滂沱するアリカの頭上に、11人の影が現れた。その影の一人がOパーツを奪い、虚空へ消えた。あっという間の出来事に呆然とするアリカの側に、黒き谷から舞衣とミコトがやってきた。ミコトは一目見て、あの11人の影をHiME11黒曜主と呼んだ。
第三話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
帰還したエルスティン。
変貌したその行動に、少女の心は張り叫ぶ。
そして、貴重なるデータを集約した超極秘ファイル。
「HiMEの記録」が、ついにその封印を解かれる!
舞-乙HiME FINAL「奇蹟なる伝説」
君も3ndステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第三話 「奇蹟なる伝説」
あらすじ
 空中に出現した謎の人影、HiME11黒曜主は、移民歴以前の地球に存在した高次物質化能力者“HiME(Highly-advanced Materializing Equipment)”であった。
 遡ること500年前、地球はシアーズ財団の開発した生体コンピュータネットワークシステム、アリッササーバの暴走により“HiME”の力が限界解放されてしまった。人類の存在を認めないアリッササーバは、その力であらゆる物を“HiME”の力で機械化させた。機界昇華と呼ばれるこの力で、地球はもはや人類の住める星ではなくなっていた。全人口の90%が恒星間移民船で地球を離れる中、ミコトを除いた11人の高次物質化能力者は、彼女らを束ねるリーダー“黒曜の君”と共に最後の抵抗を続けていた。“HiME”を倒せるのは、“HiME”の能力者だけだからである。しかし、無尽蔵に増えていく敵に劣勢は避けられなかった。“HiME”の力を絶やすわけにいかない黒曜の君は、世界に一人しかいない純粋な“HiME”能力者のミコトを脱出させると決める。“黒曜の君”を慕うミコトは、当然のように嫌がったが、仲間の“HiME”の説得によって移民船に乗ることになった。“黒曜の君”と“HiME”は、ミコトたちを逃がすために最後まで地球に残った。ミコトとミユの乗る恒星間移民船から地球への通信が一切途絶したのは、それから一ヶ月後のことである。
 あれから数十年、ミコトとミユは地球に限りなく近い惑星に辿り着いた。エアルと名付けたこの星で、ミユは物質復元装置の中枢回路パスオーマシンの発見する。パスオーマシンがあれば、機会昇華された地球を再生することができる。そう考えたミコトは、ハルモニウムを使って恒星間転移を試みる。しかし、その試みはミユの解析結果を聞いて断念せざるを得なくなる。パスオーマシンの力を解放するためには、その力に相当する代償が必要なのである。地球を再生するためとはいえ、この惑星エアルを犠牲にはできない。ミコトは苦汁の決断をし、パスオーマシンを四つのOパーツに分解して、ハルモニウムで転移させたのだった。ヴィント市に現れたエルスティンは、Oパーツを回収するためにHiME11黒曜主が複製したレプリジン。残りのOパーツもHiME11黒曜主が既に見つけているのだろう。ミコトの話を聞いたアリカは、Oパーツの奪還を言い出すが、ナツキから宇宙へ行く船がないと言われ落胆する。だがミコトは、恒星間移民船の眠る場所を知っていた。
第四話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
ついに姿を現した謎の敵、その名はHiME11黒曜主。
全ての謎を求め、導きの蒼き星へと向かう我らがオトメたちに、予想もしない困難が待ち受ける。
舞-乙HiME FINAL「ヴィントブルーム追放命令」
君も4rdステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第四話 「ヴィントブルーム追放命令」
あらすじ
 かつての戦いでミユがHiMEシステムを解放した場所こそ、かの恒星間移民船の一部なのであった。ナツキの号令で恒星間移民船の調査が開始された。そこで判ったのは、船を動かすためにアリカの遺伝子情報が必要ということだった。行く気を見せるアリカに対して、マシロや審議会の反応は冷たい。生きて帰れる保証のない場所に、貴重なオトメを連れて行くわけにはいかないのだ。当然のように、ヴィントブルームを含めた各国が乙女を派遣することはなかった。
 その日の夜、アリカは調査隊キャンプ抜け出して、恒星間移民船の内部に侵入する。そこにはミユや五柱、そしてマシロの姿があった。マシロは、内務大臣等に頭を下げて、アリカと出ることの了承を取り付けたのである。並々ならぬ決意を胸に、アリカは船を起動させた。地表を割って現れた巨大な船を前に、アリカたちの独断専行を認めない各国のオトメが立ちはだかる。強攻するなら実力をこれと阻止する、という一触即発の事態に、エアリーズの超弩級潜砂空母スズシロから停戦命令が響いた。エアリーズのユキノ・クリサント大統領は、オトメ拡散防止条約第5条3項に基づき「ヴィントブルーム女王マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム及びマイスター・アリカ・ユメミヤを戦争を目的として拉致した罪において、五柱を惑星エアルより追放処分とする。またマシロ女王及びマイスター・アリカは、五柱の企む戦争を幇助した罪で同罪とする」と宣言した。追放するという名目で、彼女たちに自由を与えたのだ。世界中の国家元首たちが見守る中、恒星間移民船は轟音をあげて打ち上がった。
第五話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
アリカたちがたどり着いた場所は、敗北の影が迫る敵の本拠地なのか?
負けるな! マイスター・アリカ!
我々は君の勝利へと続く神話(マイソロジー)を信じている。
舞-乙HiME FINAL「アリカ、最後の刻」
君も5thステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!
第五話 「アリカ、最後の刻」
あらすじ
 衛星軌道に到達したところで、ESミサイルを発射し、ワープゲートのESウィンドウを出現させた。ESウィンドウを通過した先で、アリカたちが見たのは、惑星エアルとよく似た青い惑星だった。そこへ突然、通信が入る。モニターの先に現れたのは、死んだはずのパールオトメ、イリーナ・ウッズだった。驚愕するアリカたち。イリーナは、移民船をヴィントブルームへ着陸するように導く。言われた通り大気圏に突入した移民船は、ヴィントブルームの軍施設に着陸した。
 アリカたちは、惑星エアルを離れたはずが見渡す限り何一つ変わらないヴィント市の風景にとまどう。迎えに訪れたイリーナは、アリカたちをガルデローベに案内した。ガルデローベで彼女は、この星が複製された惑星エアルであると語った。レプリ・エルスティンがガルデローベを襲撃した際、回収したパスオーマシンが発動。その余波で、遥か彼方に惑星エアルが複製されてしまったのある。しかし、この惑星エアルは不安定で、複製された者のうち生き残ったのはイリーナだけであった。
 その日、ガルデローベに泊まったアリカたちだったが、ミコトは一人、思うところあって黒き谷へ向かった。そして、気付いたのである。このエアルの太陽が本物ではないことに。その時、何者かの影が襲ってきた。謎の影の刀によって、ミコトの身体は貫かれた。
 翌日からアリカたちは、レプリ・エアルの調査を開始した。しかし、どこを調べても、人がいないということを除いて故郷のエアルと何一つ変わらなかった。次第にアリカたちに変化が訪れる。ナツキが、シズルが、ナオが何事もない平和なこの世界を享受し始めた。アリカが何を言っても、本来の使命を忘れたかのようにやる気を見せない。その中で、ミユとイリーナだけが正気を保っていた。2人にも、この無気力現象の原因は判らずにいた。一方アリカは、庭で呑気にバーベキューの準備を始めているマシロを横目に、静かに一人城を起った。
 その頃、ミユは二門式トンファーを操る黒曜主、AKAMEの強襲を受けていた。イリーナの導きで黒き谷へ向かったアリカを、HiME11黒曜主が待ち受けていた。自分たちの目的を語る少年に対し、アリカは戦うことを宣言する。HiME11黒曜主が一人、MAIはHiMEの力を解放し、白き竜“カグツチ”召喚した。マテリアライズしたアリカと“カグツチ”が激突する。力は互角。少年が呟いた時、隣の小柄な黒曜主が跳び、“カグツチ”の隣に立つ。マントのフードを取った顔は、マシロその人だった。アリカの心は強い衝撃に揺らいだ。そこが付け入る隙となった。“カグツチ”の力に、アリカのエレメントが、ローブが粉々に砕かれた。
第六話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
敵は鴇羽巧海?
マシロは何処?
粉々に打ち砕かれた勇気ある心。
だが、我々は信じ続けている。
そう! 今、誇り高き最強最大のオトメが降臨することを。
舞-乙HiME FINAL「復活の白きの金剛石」
君も6thステージへ、メガマテリアライズ承認!!
第六話 「復活の白きの金剛石」
あらすじ
 遡ること1ヶ月前。エルスティンとの邂逅を果たしたニナは、その希望を打ち砕かれた。オトメではないニナに為す術はなく、エルスティンによって連れ去られた。
 ユメミヤ・アリカ。彼女の戦いは常に勇気と共にあった。勇気ある仲間たちと共にあった。しかし、その誓いが崩れた今、伝説は終着駅に到達しようとしている。白き貴石と共に。舞衣の“カグツチ”の爆炎を受けて粉々に砕かれるアリカのエレメント“暁の大太刀”。しかし、爆炎はローブの防御フィールドを破りアリカを直撃した。
 その頃、惑星エアルでは世界各地で未曾有の異常気象と天変地異に襲われていた。世界の崩壊を予感させる事態に、人々はただ、オトメを信じ、祈るしかなかった。
 アリカの敗北と同時刻、マシロの身体に頭頂から貫かれるの様な激痛が走った。使命を忘れて見ていた幸せな夢は、音を立てて砕けた指輪の貴石が現実に引き戻す。イリーナは、正気に戻ったマシロにアリカの敗北を告げた。同じ過ちを繰り返した自分を責め、泣き崩れるマシロ。イリーナは、まだ希望は残されていて、GEMの導きと勇気ある誓いが進むべき道を照らしてくれると言った。マシロは、勇気を奮い起こして立ち上がり行動を始めた。
 犬型のアスワドスレイブ、デュランを連れて格納庫へ来たマシロは、AKANEとの戦闘で拘束されたミユを解き放つ。マシロは、ミユを医務室までデュランに運ばせようとするが、それよりするべきことがあると拒否。ミユは、マシロに発信器を付けたAKANEを追ってと告げられた。言われた通りカルデアの王城に着いたマシロが見たのは、ミユと同じく巨大な鎖で拘束されたニナ・ウォンだった。マシロに気が付いたニナは、祭壇にある指輪を使って戒めを解くように頼む。解放されたニナは、マシロに礼を言い、後から来たミユと城を脱出しようとした。しかし、3人の前に黒曜主のAKANEとMIDORIが立ち塞がる。ローブを着ていないニナは、MIDORIの激しい攻撃に防戦しかできない。見ていられないマシロだったが、自分のはめた指輪がGEMではないかと気付く。マシロはニナを呼び寄せ、白いGEMに契約と認証を行った。光に包まれてマテリアライズするニナ。純白の翼とローブ、手にするは大鎌(サイズ)型エレメント。伝説の真白なる金剛石のローブに身を包んだニナがそこにいた。ニナの反攻に押されるMIDORIは、城の外へ脱出する。追いかけて城外へ出たマシロ、ミユ、ニナが見たのは、空を埋め尽くすほどのスレイブ、マイスターローブを着た五柱に舞衣。そして、蒼天の青玉アリカだった。こめかみにボルトを打ち込まれたアリカが、ニナに襲いかかってきた。
第七話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
ニナが、アリカが、我らがオトメたちは光となって消えてゆく。
最後の希望を求めるマシロの前に現れた、あれは何だ?
あれが、あれこそが、伝説のオトメなのか?
舞-乙HiME FINAL 「我が名はG(ジェネシック)」
君も7thステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第七話 「我が名はG(ジェネシック)」
あらすじ
 蒼きアリカの“暁の大太刀”と白きニナの大鎌が火花を散らす。力の差がなく拮抗する両者。操られていると思えない気迫で襲いかかるアリカに、ニナは防戦を強いられる。アリカは“BOLT FROM THE BLUE”でとどめを刺そうとし、ニナも大鎌の力を解放して必殺の“SLEEPY HOLLOW”を繰り出す。激突する二つの力。ニナがわずかに押され始めた時、予想外の出来事が起きた。レプリジンの五柱たちと舞衣がオトメの心を取り戻し、支配から抗い背中からニナを支える。だが、“BOLT FROM THE BLUE”の圧倒的な力の干渉が、臨界点を超え大爆発を起こした。周囲のあらゆる物を吹き飛ばし、巻き込まれた五柱たちと舞衣は、周りのスレイブ諸共光の粒子となってしまった。
 同じ時、アリカもまた苦しんでいた。戦う意味、勇気ある誓いを失い、支配されていながら抗うことの出来ない自分に。暗い意識の中を漂うアリカの傍らにマシロとニナが現れた。アリカは何も失われてはいない。アリカは一人じゃない。励まされるアリカに、ミユが現れ告げる。アリカの勇気ある誓いは無駄ではない。HiMEに代わる新たな力としてのGEMは、もがきあがく生命の力として作られたのだと。生命を護るために生まれ。アリカを助けるために生き続ける。だから、戦おう。本当の勇気を見つけるために。アリカは願う。帰りたい、自分のいるべき場所に。取り返したい、勇気ある誓いを。涙を流すアリカの耳に、幼い頃から聞かされた子守歌が聞こえた。
 辺境の土地でアリカの浄解が行われている間、ミユは敵の反応を察知し偵察に出ていた。接近してくるのは、巨大な一角馬の胸像に乗るYUKARIKO。ミユは、素早く攻撃をするYUKARIKOの弓でを軽やかにかわして接近。左手にソード“アンチマテリアライザー”を展開し一角馬“ヴラス”に初撃を与えるが、その瞬間、聞き覚えのある悲鳴が木霊した。察して間合いを取ったミユは、“ヴラス”の胸が開き、中から生体融合したミコトの姿を見る。ミコトの唱えた凍結コマンドがミユのセンサーに反応し、急速に力を失っていく。動けなくなったミユを、YUKARIKOが弓で撃ちぬいた。その頃ニナとマシロは、アリカの肩を担ぎ、神殿らしき建物へ急いでいた。そこに、待ち伏せていた六岐の大蛇“清姫”とSHIZURUの襲撃を受ける。ニナは応戦しながらも、マシロとアリカを逃がすために出来るだけ遠くへ離れた。
 ニナがSHIZURUを引き付けている間に神殿に辿り着いたマシロは、獅子の石像のある奥までアリカを引きずって一息ついた。石像にもたれかかり腰を下ろすマシロの耳に、何者かの声が聞こえた。封印されたGクリスタルは、対黒曜主に対するアンチプログラム。そこから生成されるGストーンがGEMの原型となったが、黒曜主のいない世界故に本来とは違う使われ方をしていた。それを今、本来のGクリスタルの担う使命に戻そう。声が聞こえなくなると扉が勢いよく開きMAIが現れた。MAIは告げる。自分らの動力源ラウドGストーンは、Gクリスタルのジェネシックオーラの前には力を失ってしまう。Gクリスタルのエネルギーが、Gストーンに充填されている瞬間だけ、ジェネシックオーラの放出は止まる。空中にキューブスレイブが出現し、石像を中心に取り囲まれた。ソールウェーブが放射され崩壊する石像。中から緑色の巨大な緑晶石、Gクリスタルが現れる。更にソールウェーブの威力を強めて破壊しようとするが、Gクリスタルから一粒に光球が飛び出し、アリカの耳に当たった。目を覚ますアリカ。勇気の輝きを取り戻したアリカが、マテリアライズしキューブスレイブを殲滅する。今までにないエネルギーを感じるアリカは、外に出たMAIを追いかける。しかし、それより早くMAIの“カグツチ”から火焔が放たれた。焼き尽くされる神殿内で身を屈めるマシロは、石像の台座に文字を見つけた。緑の板に刻まれた“GENESIC DRIVE SAFETY”の文字。マシロは、再び声を聞いた。再生の力を止める者、それは破壊の力。破壊はゼロへの希望、無限なる可能性への挑戦。マシロは、声の導きに従い、システムを起動する。“カグツチ”の火焔を防いでいたアリカの左耳が輝き、新たな力を解放、ジェネシック・マテリアライズを開始した。
 緑色のトルネードがアリカを包む。膝にドリルの付いたレッグアーマー。胸部に獅子を象った意匠と肩の張り出したブレストアーマー。手首にエネルギーリングを装着したガントレット。背中の大きな黒い翼と下に垂れ下がった尾部。それは、勇気の究極なる姿。我々が辿り着いた大いなる遺産。Gストーンよりもたらされしジェネシック・ローブを身に着けたアリカの姿だった。アリカは、右手のブロウクンマグナムで“カグツチ”を殴り飛ばした。起きあがる“カグツチ”は再び火焔を吐くが、左手のプロテクトシェードが防御フィールドを発現させ跳ね返す。形勢逆転した展開を遥か高見から見ていた黒曜の君は、忌々しげな言葉を吐き捨てた。
第八話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
破壊と再生、二つの力はぶつかり合う。
勝利という物質世界の正義を決するために。
地球を揺さぶる大いなる総力決戦に、君も勇気を呼び覚ませ!
舞-乙HiME FINAL「超乙女黙示録」
君も8thステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第八話 「超乙女黙示録」
あらすじ
 猛攻を続けるジェネシック・ローブのアリカに業を煮やした黒曜の君は、MASHIROに導きの蒼い星へのフュージョンを命ずる。解放されたMASHIROの力は、消滅したキューブスレイブを次々に復元、再生していく。アリカは、ローブの背部パーツであるガジェットフェザーを拡げ、更に尾部パーツを分離させてガジェットツールを構築、左手にボルティングドライバーを装着した。ローブの胸部から発射されたジェネシックボルトに、アリカはボルティングドライバーを叩きつける。増幅されたジェネシックオーラは、再生の暇を与えずキューブスレイブを破壊した。“カグツチ”は背後から爪で襲いかかるが、ジェネシック・ローブに傷一つつけられない。アリカは、尾部の別の部分をウィルナイフに変形させて右手に装着し応戦。ウィルナイフと交錯した“カグツチ”の爪が、炎の翼ごと分解されていった。更に至近距離から炎を吐く“カグツチ”だが、アリカはプロテクトシェードで防ぐ。アリカと“カグツチ”が戦っている間に、黒曜の君は残りのHIMEたちを集めて、チャイルドとフュージョンさせた。気が付けば、アリカを7体のチャイルドが取り囲む。一人では何も出来まいとアリカをあざ笑う“カグツチ”のMAI。その時、力強いナツキの声が聞こえた。遠くの空からナツキの中心に五柱と舞衣が、アリカを助けに駆けつけてきたのだ。
 ナツキたちを堕落させていた正体。それは、レプリ惑星エアルの大気中に散布されていたパレッス粒子によるものだった。正体を突き止めたイリーナは、パレッス粒子に対する抗体を作り、ナツキたちに注入したのである。その効果が出たのだ。ナツキは、声高らかに11黒曜主との徹底抗戦を宣言し、エレメント“バスターキャノン”を放った。散開するチャイルドを追撃する五柱と舞衣。マーヤはAKANEの“ハリー”に。舞衣はMIDORIの“ガクテンオー”に。サラはAKIRAの“ゲンナイ”に。ナオはYUKINOの“ダイアナ”に。シズルはNAOの“ジュリア”に。それぞれの戦いの場へと散っていったオトメを見て、ナツキは、これがオトメを分散させるための罠と悟った。しかし、彼女の目の前に自分とうり二つの少女、HIMEであるNATSUKIとチャイルドの“デュラン・マックスハート”が迫る。罠と判っていても、戦いは避けられなかった。“清姫”の攻撃に苦戦を強いられ、その上SHIZURUに顔を踏みつけにされるニナ。屈辱的な言葉で降伏を迫るSHIZURUに、ニナは誇りを失うくらいなら戦って死ぬと叫ぶ。その叫びは、少し離れたミユのセンサーにも届いた。黒曜の君の命令で、MAIの援護に向かおうとするSHIZURUとYUKARIKO。YUKARIKOは、ミユにとどめを刺すべくエレメントの弓を引き絞った。ミユに向かって放たれるYUKARIKOの光の矢。命中する直前、矢は横から高速で飛んできた何かに当たり、大きくミユを逸れていった。それは、ミユが大事にしていた小鳥、アリッサであった。金色に輝く光の翼を拡げ、アリッサはミユの胸に飛び込む。ミコトによって施された凍結プログラムが強制解除され、ミユは、その全拘束式を解除された。金色の炎に包まれた、真紅のミスリルドレスを纏うミユが再び立ち上がる。ミユの復活を見たニナは、自分もと気力を奮い起こし立ち上がった。
 五柱と舞衣は、世界各地に散らばりHIMEのチャイルドと戦っていた。マーヤと“ハリー”はアンナン。舞衣と“ガクテンオー”はルーテシア・レムス。サラと“ゲンナイ”はアルタイ。ナオと“ダイアナ”はエアリーズ。シズルと“ジュリア”はフロリンス。そして、カルデアではニナとミユが、SHIZURUとYUKARIKOを相手にしていた。YUKARIKOは“ヴラス”とフュージョンし、巨大な馬頭の騎士に変身した。“ヴラス”が振り下ろす剣を受け止めるミユ。反撃に移りたいところだが、“ヴラス”へのダメージが体内のミコトに伝わるで、ミユは決定的な一撃を与えられずにいた。一方、ニナは“清姫”の首を一つ切り落とし、反撃の糸口としていた。アリカと“カグツチ”は、戦いの場所をヴィントブルームに移していた。“カグツチ”は、翼の付け根にあるエレメンタルディスクを高速回転させてパワーアップ、全身を炎に包んで“GOD AND EVIL”の体勢。対するアリカは、ガジェットツールを両腕に装着し、手を組み合わせ“HELL AND HEAVEN”の構えを取った。生きる資格などないと言うMAIに、アリカは生きる資格とはもがきあがくことで勝ち取るものだと叫ぶ。“カグツチ”の“GOD AND EVIL”とアリカの“HELL AND HEAVEN”が激突した。
第九話予告
君たちに最新情報を公開しよう。
惑星エアル崩壊寸前。
力を合わせることも出来ず、分断された勇気は勝利の希望を見失っていく。
だが、忘れてはいけない。
GEMを持つものよ。
命が無限のパワーを秘めていることを。
舞-乙HiME FINAL「命を超える者」
君も9thステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第九話 「命を超える者」
あらすじ
第十話予告
時は来た。
君たちに最後の最新情報を公開しよう。
戦いは終わる。
我々は忘れない。
本当の勝利!
それは君たちの勇気とともにあることを!
舞-乙HiME FINAL「神話(マイソロジー)」
君も熱きラストステージへ、ファイナルマテリアライズ承認!!
第十話 「神話(マイソロジー)」
あらすじ

我々は信じている。アリカたちが帰ってくることを……。
勇気ある誓いと共に。

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