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ウェブサイト管理人にとって100万アクセスは、ひとつの到達すべき頂点である。
その頂点に君臨する者は、他のすべてをなげうって!!
今日も己の人生をテキストエディターにたたきつけているのである!!
「何もいらん!!
他にはなにもいらん!!
何もしなくていい!!
人生の喜びのすべてを捨てる覚悟は、とうの昔に終わっている!!
ただひとつの願いは、
おれに書かせ続けろーっ!!」
だが!!
それでもこの業界に「永遠」はない!!
「なんだよあいつ、偉そうに……?
たしかに今は
ReadMeで100位以内に入っているかもしれないけど……。
おれの打ち上げた花火に比べりゃ、やつのサイトなんて風呂場の屁のようなもの!
そんなやつに、大ヒットウェブサイト管理人のおれの気持ちがわかるかっ!?
わかりっこねえ……。
偉そうなゴタクは時代を作ってから並べやがれっ!!」
「ああ……こんなことをしている間に……どんどんおれは、世の中から忘れられちまうんだ……ああ……。
どうすりゃいいんだっ!?」
ニュースサイト管理人の時間の流れは通常よりも速い!!
普通の人が1週間で使うエネルギーを……1日で使ってしまうからだ!!
実際にはそれほど時間が過ぎていなくても、ものすごく時間が過ぎたように体感してしまう。
それだけニュースサイト管理人は、一時間一時間が、黄金のように大切なのだ!!
一度このペースに慣れてしまったウェブサイト管理人は、1週間更新をしないだけで、まるで1ヶ月更新しなかったような恐怖に襲われる!!
「書かせてくれーっ!! blogーっ!! 早くおれに巡回をーっ!!」
この男もすでにその禁断症状は現れはじめていた……!!
もはや、週に1回などという
「ぬるい更新」には、耐えられない体なのである!!
その頃、よしりんは──限界を超えて更新をこなしていた。
「こっ、更新終わった……。
…………。
…………。
でも……日付はとっくに次の日に変わっている……。
もう、ニュースやめるか!?
もう、ウェブサイトやめるか!?
今ウェブサイトをやめれば……
寝てもいいんだ!!
うっうう、できればやめたい!!
できれば寝たいー!!」
(ボクサーが、試合前に減量の苦しみに耐えられず、水分を欲するように……。
今、ニュースサイト管理人のおれも徹夜に耐えかねて、睡眠を欲している……。
同じだ……。
ボクサーとニュースサイト管理人は同じものだったのだ……!!
…………。
だったら、だったらがんばらなくては!!)
プルルルルルルルルッ!
「はい、よしりんですが……。
あ、○○さんこの間はどうも……え……メイド喫茶!?」
「そう、おれが見つけた新しい店あるからさ、ちょっと行って、気分転換でもしない? 行ってる暇ないかね?
でも、ニュースサイト管理人なんてやっていたら、いっつも行ける暇なんてないよね。まあ……おれは今暇だけどさ」
「行くっ!!
行ってる暇なんてない!! ──からこそ!! 行かせていただきますっ!!」
(このまま更新を続けることは決して、前に進むことではない!!
とりあえず脱出だ!!)
「……。
メイドさんだ……メイドさん!!
そうだ! おれはきっと、メイドさんが見たかったのだ!!
○○さん! 人間にはたまにはメイドさんを見なきゃあダメですよね!」
「いや、言ってる意味がわからんけど、そうかもね!
ケーキでもどう?」
「ケーキ!!
紅茶!! メイド服!! エプロンドレス!! 眼鏡!!
ううっ……こんな幸せな時があるのか……すべてを捨てたニュースサイト管理人が、こんな快楽をむさぼれるなんて……」
(おれは更新してないけどね)
「ところでよしりんくん。
ひとつ相談があるのだが……」
「はいっ」
「キミ……。
サイト管理人の座を、私に明け渡さないかねっ!?」
「なるほど……そうですか……いや……いや、私も実は……。
そろそろ疲れてきたかなあ……と……」
「おおっそうかっ!!
じゃあ何も問題はないっ!
善は急げだ、すぐにでも……。
そうかそうか、それはよかった!!
だったら早急に次の更新、何を書いたら当たりそうか、さぐり入れとかなきゃな……。
前みたいに失敗したら、元も子もないからなあ!」
「あ……いや、やめると決めたワケでは……」
「いやっ、よくぞ決心したよしりん!
あとは安心しておれに任せとけ!!
必ずキミの咲かせた花よりも、でかい花を咲かせてやるからな!
見事な、
大輪の花を!!」
「
ちょうっと待ていっ!!
たしかにキミは、大きな花を咲かせてきた……認めよう!
そこは認めよう!!
だったら……
実は!?」
「は……実?」
「その花はどんな実をつけたんだ!?」
「え……実って……何?
お金? 収入? ファンの数? トータルアクセス数?」
「──そういう……
目に見えるものではなくて!!
損とか徳とかの問題ではなくってだ!!
なんのために花を咲かせてきたのだ!?
実をつけるためではないのか!?」
「だっ……だから実って……何?」
「おれの求める花は……花こそ小さいかもしれないが──
確かな実を作る!!
そんなは花だ!!」
「う……」
「
そして作った実の中にこそ種子がある……!!
花はいつか必ず枯れ果てるが!!
再びまた、新たに芽吹かずにはいられない強力な種子!!
それが大自然のサイクル!!」
「!!…………
…………」
「そいつが、なければ咲いても散るだけ!!
どんなに大きく咲いても、一世代限り!!」
「一世代限り……」
「また次のサイトにとりかかる時には、別のところから種を探してこなければならなくなる!!」
「別のところから!?」
(たったしかに、今何がはやっているとか……!
こんな二匹目のどじょうはどうだとか、誰かが切り開いたブームの尻馬に乗ろうとか……)
「そんなのが基準で次回作を模索していたかも……しれない……。
たしかに、おれは……」
(おれは……おれのサイトは……)
「
遺伝子組み換えサイトだったのかっ!?」
「
ほう、遺伝子組み換えサイト!!」
「お……おう……。
おれには……おまえのサイトを奪う資格はないかも……」
「あなたが今、サイトを更新できなくなっているということは、おそらく、
無自覚だが、本物の種子を作り始めている最中と見た!!
だったら、もっと苦しまないと!!
苦しんで苦しんで苦しまないと!!
逃げずに苦しみぬかないと!!」
「う……わかった……わかったような気がする……。
ありがとう……よしりん!」
予想外のアクシデントで、時間をロスしてしまったよしりんだか──
「いいメイドさんだな……」
「おう……確かにいいメイドさんだ!!」
なんか意味のある話もした……!!
こういう時にはニュースサイト管理人は、がんばれるのだ!!
自分のやっていることに確信を持てた時、男はがんばれる!!
人に言って気づくこともある……自分が今苦しいのは、本物になるためなのだ!
だったらもう逃げない!
おれも苦しみのパソコン前に戻ろう!
より本物になるために!!
まあ、その前にコーヒーでも飲んで、疲れをとってからにしよう!!
★上の元ネタは、『吼えろペン』から。当然98%フィクションです。
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『BLACK LAGOON』を読みながら、常々気になっていたことは、ただ一つ。
『マリア様がみてる』の由乃さんにメイド服を着せて、丸眼鏡をかけて、傘の取っ手みたいなフォールディングストック付きオートマチックショットガン
"SPAS12"を持たせたら……。
令さまに近づく者をサンタ・マリア名に誓い、すべての不義に鉄槌を下されちゃうかも。
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>うすいさん(雪花乱舞)
>むしろ、日記(7/17)の>ヴァルキリープロファイルの新作(つーかリメイク版)VPネオ!! が無性に気になるのですが・・・
あの後、自分で
2ちゃんねるを中心にヴァルキリープロファイル・リメイク情報を調べていたら、どうも
釣られたっぽいです。ヴァルキリープロファイル・リメイク版の噂は去年くらいからありましたが、それらしい情報が全く出ていなかったので存在自体忘れていたのですけど、残念でなりません。
噂が本当か嘘かは別として、ヴァルキリープロファイルのリメイクを待望しているのは間違いないので、
トライエースには作って欲しいです。マジで。