★舞阪洸著『鋼鉄の白兎騎士団 V』（AA）プチ感想

　セビリィノの王子カッシゥスを保護したドゥイエンヌとガブリエラ率いる特別遊撃小隊は、セビリ=アンテ都市同盟の内紛を平定するために彼を王位につけること発案しました。レフレンシア率いる特戦隊の援軍を得て反攻作戦を開始しようというその頃、ガブリエラたちは潜伏中の森を大軍に包囲され山狩りにあっていました。二手に分かれたガブリエラたちの内、先にレフレンシアと合流したジアンとマルチミリエがガブリエラの作戦の全貌を伝えました。その作戦に驚愕するレフレンシア。カッシゥス王子を連れてアンテルノの街に訪れたレフレンシアたちは、山狩りから辛くも抜け出したガブリエラたちと合流。戦力を集結させたレフレンシアは、カッシゥス王子を王位に就けるべく、フラミニゥスのいるアンテルノ王宮への突入作戦を開始するのでした。
　という内容を一気に吹っ飛ばすような衝撃のラストでした。今思い返してみれば、5巻の表紙を飾っているし、4巻の265ページあたりからフラグが立ち始めて、馬を二人乗りした時の雰囲気を察すればあのラストもありなのだと気づくべきでしたよ。というか、特に好きなキャラだったから尚更信じられなかったです。まあ、幸せならそれで良いんだけどさ。

　★吉川英治著『三国志　8』（AA）プチ感想

　吉川『三国志』を全て読み終わり、私は改めて三国志のことをまるで知らなかったと思い知らされました。故事成語の「泣いて馬謖を斬る」の語源を、「ああっ、これか！」と今さら理解できました。特に誤解してたのが、劉備（というか蜀）は天下を取って終わるのかと思っていたら、そうではなかったことです。もうね、マンガやゲームの悪い影響を受けまくっていた己を恥じました。
　物語の後半は、蜀対魏というより孔明対司馬懿。劉備は亡くなる直前、劉禅を帝として諸葛亮孔明が補佐をするようにと遺言を残しましたが、実質的には孔明が全部やっていました。そして五丈原の戦いの最中に孔明が病で亡くなり、馬岱、姜維らが孔明の霊車と共に成都に撤退したところで本編は終わります。孔明没後の蜀は、意志を継いだ姜維が孤軍奮闘するも、結局魏に併合されてしまいます。
　この有様を一言で表すなら“ぐだぐだ”。孔明がいなかったら成り立たない蜀の有様を読むと、彼が亡くなったところで物語を終わらせたのは賢明な判断と思いました。
　ああそれから、物語後半における呉の存在感の無さに苦笑いしました。

　★この4コマがすごい！2008アンケート
　竹書房が書店向けに『この4コマがすごい！』というキャンペーンをやっていることに端を発し、『このミステリーがすごい！』『このマンガがすごい！』『SFが読みたい！』に続く企画として、この1年間に一番面白かった4コママンガを決めるアンケートをやってみたいと思います。
　『この4コマがすごい！2008』アンケートのレギュレーションは以下の通りです。

・対象は、2006年11月1日から2007年10月31日までに単行本発売された新刊4コママンガ。
・発売された出版社やジャンルは一切問いません。
・名前とメールアドレスは無記名で構いません。
・アンケートには、作者名、タイトル、巻数を必ず書くこと（全1巻の場合は巻数を書かなくても構いません）。
・ただしゲーム、アニメ等のアンソロジー4コマ、旧単行本の新装版及び愛蔵版は不可。

　お読みなりましたら、下の投票スレッドから参加してください。

この4コマがすごい！2008 投票スレッド

　皆様のご協力をよろしくお願いします。

　★高校生が恋愛で青春してるラノベは、大きなお兄ちゃんにはウケが悪い(まぼろしのつくりもの)
　『灼眼のシャナ』は読んだことがないけど、少女恋愛小説は普通に読める私ですが、率先して話題にしようという気持ちは起こらないかな。というか、男の子向けライトノベルのラブコメは読む気になれないです。ヒロインの女の子に感情移入できないことが多いから。（もっとぶっちゃけるなら、好みと言える女の子が少ない。なんか、都合良すぎというか……）
　その割に、コバルトやホワイトハートなどの少女恋愛小説は素直に楽しめるのよね。少女恋愛小説を読んでいると、十代の頃の恋愛観や感情が甦ってくるみたいな。故に心のアンチエイジングになるんです。

追記
　ちなみに、私は月刊少年マガジンを読んでいたので『BOYS BE…』よりも『ANGEL BEAT』の方が好きです。

　★Googleすげえｗｗｗｗ (11/14)(F速VIP(･ω･)y-〜)
　Google 翻訳が、他の自動翻訳ツールと違って固有名詞の翻訳力に強いようなのです。これは、グーグル曰く、

統計的機械翻訳とは何ですか。

今日市場に出回っている自動翻訳システムのほとんどは、規則ベースで開発されており、言語研究者による語彙や文法の定義など多くの作業を必要とします。

Google の翻訳システムの手法は異なります。 ターゲットとなる言語で記述された単一言語のテキストと、人間が翻訳した他言語のサンプル翻訳テキストを対にしたものを大量にコンピュータに入れます。 そしてこれらのテキストに統計的学習手法を適用して、翻訳モデルを構築しています。 Google のリサーチ評価では、この手法が優れた結果をもたらすことが判明しています。

　だそうです。要するに、膨大な検索データの中からヒット性の高い翻訳を選んでデータベース化した、ということなのかな？　その割に、合っているのと間違っているのと妙な意訳なものが混在してるけど。
　以下はライトノベルを中心とした小説タイトルのGoogle 翻訳。

『ゲド戦記』→『Earthsea』
『宇宙の戦士』→『Starship Troopers』
『月は無慈悲な夜の女王』→『Moon is a Harsh Mistress』
『戦闘妖精雪風』→『Yukikaze』
『星界の紋章』→『Crest of the Stars』
『星界の戦旗』→『Banner of the Stars』
『銀河英雄伝説』→『Galactic Empire』 　『スターウォーズ』か（苦笑
『時をかける少女』→『The Little Girl Who Conquered Time』
『アルスラーン戦記』→『Heroic Legend of Arslan』
『創竜伝』→『Sohryuden』
『ロードス島戦記』→『Record of Lodoss War』
『魔法戦士リウイ』→『Louie The Rune Soldier』
『魔術士オーフェン』→『Sorcerous Stabber Orphen』
『キノの旅』→『Kino's Journey』
『灼眼のシャナ』→『Shakugan no Shana』
　英訳版もこのタイトルです。
『涼宮ハルヒの憂鬱』→『Suzumiya Haruhi no Yuutsu』
　アニメの海外版DVDでは『The Melancholy of Haruhi Suzumiya』というタイトルです。ちなみに、コレ以外の続編タイトルを入れると、かなりめちゃくちゃな訳をされます。
『マリア様がみてる』→『Maria-sama ga Miteru』
　翻訳版は『Rosen unter Marias Obhut』というタイトルです。
『撲殺天使ドクロちゃん』→『Bokusatsu Tenshi Dokuro-chan』
　海外フォーラム等で訳されいるのは『Club-To-Death Angel Dokuro-chan』。でも、多くがそのままローマ字読みされています。

　ちなみに、「light novel」はGoogle 翻訳だと「光の小説」と訳してくれます。その発想は、なかなか素敵だと思いました。

追記
　ちなみに……。
『聖剣伝説』→『The World of Mana』
『アイドルマスター』→『The idolmaster』
『アイドルマスターゼノグラシア』→『Idol m ster xenoglossia』
　「a」が抜けているのは、何故かしら？　「ゼノグラシア」だけでは、ちゃんと翻訳してくれませんでした。
『フェイトステイナイト』→『Fate stay night』
『メルティブラッド』→『Melty Blood』
『冒険王ビィト』→『Beet the Vandel Buster』
『魔法騎士レイアース』→『Magic Knight Rayearth』
『機動戦艦ナデシコ』→『Meteor Schlattschiff Nadesico』
　ウィキペディアでは『Martian Successor Nadesico』になってるけど。
『ラーゼフォン』→『RahXephon』
『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』→『Future GPX Cyber Formula』
『装甲騎兵ボトムズ』→『Armored Trooper VOTOMS』
『機甲戦記ドラグナー』→『Metal Armor Dragonar』
『勇者王ガオガイガー』→『Brave King Gaogaigar』
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』→『Mobile Suit Gundam: Char's counterattacks』
『新機動戦記ガンダムW』→『New Mobile Report Gundam W』
『機動新世紀ガンダムX』→『After War Gundam X』

　★今年1年間で一番面白かった4コママンガを決めるこの4コマがすごい！2008アンケートを実施中です
　皆さんのご協力をお願いします。

　★今日のトラブル
　少々緊急度が高いです。最近ノートンが、メールフォームから来たメールを誤認削除しているようです。もしかしたら、ここ2〜3週間以内にメールフォームから送ったメールが、手元に届いていないかもしれません。

　★第24回マイルチャンピオンシップ（京都・GI）〜マイル王復活！ダイワメジャー貫禄の２連覇(ラジオNIKKEI競馬実況ホームページ)
　本命にしたプリズムアグネスアークは、道中の行きっぷりがいまいちでした。ラスト400メートルで、前をスーパーホーネットに一瞬塞がれてしまい、外へ出す僅かなロスが勝負の明暗を分けてしまいました。真っ直ぐ走っていれば少なくとも3着は堅かったし、私の3連複も当たっていたのにっ！
　それにしても、ダイワメジャーはマイルだと良く走りやがるなあ、こんちきしょ〜（苦笑　勝ち時計が昨年のマイルチャンピオンシップと同じで、レース内容も昨年の再現を見ている様でした。

関連リンク1
【マイルＣＳ】４着アグネスアークの左前繋靱帯炎が判明(SANSPO.COM)
　また藤田かっ！　藤田は、私の好きな馬にもう乗らないでください。
2007.11.18　Jockey's veiw　マイルチャンピオンシップ(YouTube)

関連リンク2
第２４回マイルチャンピオンシップ（ＧＩ）成績(JRAホームページ)
【マイルＣＳ】（京都）〜レース後のコメント(ラジオNIKKEI競馬実況ホームページ)

　★今日の気になる本
著：スティーブン・ハント　訳：富永和子『モリー・テンプラーと蒼穹の飛行艦』（AA）

　久しぶりにチャッチーなオビ文句を読んだ気がしました。「魔法（マジック）と機械（マシン）が生みだした、19世紀のロンドンに酷似する世界“ミドルスティール”」という世界観も私好みでイイ感じ。以下は、本のオビに書いてあったあらすじとエンターブレインのサイトに書いてあった紹介文。

19世紀イギリス・ヴィクトリア朝時代に似た世界“ミドルスティール”。その最下層で暮らす孤児の少女モリー・テンプラーは、過酷な労働を強いられながらも本は手放さない、活発な赤毛の少女だった。辛いながらも平凡な毎日は、ある日モリーを狙った豪腕の老殺し屋“伯爵”が、あやまって救貧院の友だちを殺したことで終止符を打たれる。モリーの出世にはどんな秘密が？　…すべての謎は誰も目にしたことのない“空の法廷”に隠されていた！

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蒸気と魔法の噴煙が立ち昇る、新感覚・長編ファンタジー!!
イギリス19世紀を髣髴とさせる世界“ミドルスティール”。貧しい少女モリー・テンプラーと、少年オリバーは、社会の最下層から抜け出さない生活を送っていた・・・しかし、別々の世界に生きてきた二人を運命の糸が結びつけ、時代の狂想曲の渦へと巻き込んでいく・・・それは、彼らの生命を代価にした、冒険への扉だった！蒸気機械人間、蒼穹の飛行艦、マシンとマジックが交差する魅力のファンタジー。

　スチームパンクでボーイ・ミーツ・ガールの様な内容っぽいです。だが、それがいい。

追記
　ちなみに原書のタイトルは『The Court of the Air』。著者のスティーブン・ハントさんは、ＳＦ・ファンタジー総合情報サイトScience Fiction Crowsnestの設立者です。この原書『The Court of the Air』が発売されたのは今年の4月。翻訳本は、原書が発売して翻訳されるまで1年以上待たされるなんてざらなのに、これは異例のスピードといえるでしょう。

　★かたやま和華著『お狐サマの神隠しッ！』（AA）の感想

　今回のお話は、風祭道場の前に“紗那王の子”として捨てられた赤子を桐緒や化丸たちが面倒見つつ、斑娶りに絡む事件に巻き込まれるというお話。
　かたやま和華さんはデビューしてから極めて安定した面白さを維持していて、喩えるなら千葉ロッテの福浦のようなハイアベレージヒッター作家でした。それが、通算7冊目にして遂に失速したかな？　ストーリー展開や新キャラが悪いとか、別にそういうことでは全然なく、そろそろ桐緒と紗那王がキス一つしないことに不自然さを覚えてきたのです。なんかもう、桐緒と紗那王はキスをした子供が生まれるんじゃないかと思います。

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　★もっとGoogle 翻訳でアニメを翻訳させてみた(Angel Heart Clubのネタおかん庫)
　ジャパニメーションの英語タイトル集です。基本的には、以前日記に書いたことの続きなのですが、今回は誤訳、未訳も含めて100タイトル以上収録しました。誤訳には、全て正しい（と思われる）英語タイトルを補足してあります。昔のアニメやロボットアニメ（というか、サンライズアニメ）が多いのは、私の趣味です。
　最初に断っておきますが、これはあくまでもGoogleの翻訳であって、実際の欧米版タイトルとは異なる場合があります。Google翻訳される単語の内、全て大文字で表示されるのが未訳単語です（一部を除く）。

　★第２７回ジャパンカップ（ＧＩ）プレレーティング(JRAホームページ)
　天皇賞・秋のレースぶりを見ればメイショウサムソンを本命にしない理由が見あたりません。対抗は、京都大賞典の内容が良かったインティライミ。穴は、乗りに乗っているアンカツのドリームパスポート。骨折休養明けですが、せめて3着は確保していただきたいです。もう一頭の穴にウォッカ。
　外国馬は、ディラントーマスが出走取りやめのアクシデントがあったので、早い時計で勝負できるアルティストロワイヤルに注目。これを単穴。ちなみに、アルティストロワイヤルのドライスデール調教師は、2002年にサラファンでジャパンカップに挑戦し2着になりました。

関連リンク
ディラントーマス号ジャパンカップ（ＧＩ）出走取り止め(JRAホームページ)
【ジャパンＣ】〜ディラントーマスの出走取り止めに至る経緯など(ラジオNIKKEI競馬実況ホームページ)
　はぁぁぁっ!?
アルティスト、１７歳タラモが導く…２５日ジャパンカップ(スポーツ報知)

　★300（スリーハンドレッド） 劇場版 天元突破グレンラガン2(ニコニコ動画)
『天元突破グレンラガン』＋『300』予告編
　私はコレを切っ掛けにして『300』のDVDを見ました。

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DVDソフト『300 ＜スリーハンドレッド＞特別版（2枚組）』
BDソフト『300 ＜スリーハンドレッド＞（Blu-ray Disc）』

　★GAR-FORMERS 劇場版 天元突破グレンラガン(ニコニコ動画)
『天元突破グレンラガン』＋『TRANSFORMERS』

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DVDソフト『トランスフォーマー スペシャル・コレクターズ・エディション』
DVDソフト『トランスフォーマー オプティマスプライムBOX (10,000BOX完全限定生産)』

　★今年1年間で一番面白かった4コママンガを決めるこの4コマがすごい！2008アンケートを実施中です
　★今日のメルフォレス
＞「この4コマがすごい！2008」なんですが、 期限はいつまでなんでしょうか？ できればギリまで悩みたいので......... 私が探せてないだけだったらスミマセン。
　一応、この4コマがすごい！2008の投票スレッドを使い切った（最大1000レス）ところで締め切りです。期間で言えば、投票スレッドを建てた日から概ね一ヶ月くらいと思っていいです。
　2ちゃんねると違って、そんなに高速でレスが付くわけではないので、じっくり考えて投票して構いませんよ（今のところ）。

　★今日の悪夢
　先ほど、PCを起動したらハードディスクからかつてない異音がっ!?　すわクラッシュかっ、と焦りました。音自体は、一週間くらい前から微かに聞こえていたけど、ハードディスクの音としては許容範囲で、気になるレベルではなかったんです。winXP及び常駐ソフトの起動が終わると静かになり、その後は普通に戻りました。いやむしろ前より静かになりました。慌ててHPデータのバックアップをとりましたけど、ハードディスクを交換して1年しか経っていないのに、もう爆弾を抱えることになるなんて……＿|￣|●

　★今日のweb拍手レス2
＞0:56 なのはがなぜ売れたか分からないようでは、いろいろ想像に不足している
＞0:57 自分の仮説に合わない作品についても書くとよろしいかと
　まずは、現在までの『魔法少女リリカルなのは』シリーズのDVD売上げを見てみましょう。

○魔法少女リリカルなのは(1期) 【全5巻】
巻数　初動　発売日
01巻　3,680　05.01.26 ※2週計 4,856
02巻　5,701　05.02.23
03巻　3,458　05.03.24
04巻　3,432　05.04.27
05巻　4,113　05.05.25

○魔法少女リリカルなのはA's 【全6巻】
巻数　初動　2週計　発売日
01巻　9,396　11,027　06.01.25
02巻　9,594　11,045　06.02.22
03巻　9,225　11,017　06.03.24
04巻　9,707　**,***　06.04.26
05巻　9,657　10,856　06.05.24
06巻　9,886　11,251　06.06.21
デイリーチャート補完スレ〜DVDアニメ＆特撮・最新〜より

**4　--　*18,665　*18,665　**1　魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.1
**4　--　*18,797　*18,797　**1　魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.2
*3(**5) 19,734 *19,734 魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.3 09/26
**6　--　*18,420　*18,420　**1　魔法少女リリカルなのはStrikerS Vol.4
アニメDVD売上データ補完スレより

　この手のシリーズものだと、前作からのファン＋α（1000〜3000枚）くらいあれば良い方と思うのですけど、見て判る通りシリーズを重ねる毎に売上げが倍々に増えています。『ローゼンメイデン』も『ローゼンメイデン トロイメント』で売上げを伸ばしましたけど増え幅が違います。ここまで増えたのは、口コミ＋YouTube（ニコニコ動画）のMADムービーによる草の根活動に一因があると思っています。
　『魔法少女リリカルなのは』は、美少女ゲーム『とらいあんぐるハート』のスピンオフ作品で、当初見ていた人のほとんどはゲームのファンもしくはゲームを知っている人でした。それ故に知名度もあまり高くはなく、制作発表で一誌しか取材に来なかったそうです（ちなみに、それが「メガミマガジン」で、これ以降『魔法少女リリカルなのは』情報は「メガミマガジン」のほぼ独占状態です）フタを開ければ、『魔法少女リリカルなのは』は、放送前の予想以上に出来の良い、なのはとフェイトの友情を描いた魔法少女バトルアニメでした。主人公の高町なのはは、翌年の2ちゃんねる人気投票企画「アニメ最萌トーナメント2005」で優勝。この段階で、『魔法少女リリカルなのは』が潜在的にすごく人気のある作品であることが確認できます。
　それが、更に再評価されるようになったのが『魔法少女リリカルなのはA's』でした。萌え魔法少女アニメの皮を被った熱血魔法バトルアニメに生まれ変わりました。魔法使いと魔法騎士のガチンコ対決。前作にはないインパクト、パワー、スピード感は、『とらいあんぐるハート』のスピンオフということは完全に忘れ去れてくれる独立した作品として、前作から築いてきた新たな視聴者層の度肝を抜きました（ちなみに、作画クォリティも『A's』が一番良かったです）。
　そして、『魔法少女リリカルなのはA's』もう一つの魅力は、MADムービーに作りやすさ。とにかく様々な曲とあわせやすく、ネタにもしやすく、使いやすいシーンやカットがたくさんあります。「アニメ最萌トーナメント2006」では、『魔法少女リリカルなのはA's』の後に名作MADと呼ばれる作品がたくさん作られました。MADムービーは、基本的にそのアニメのファンしか見ないのですが、YouTubeの存在が不特定多数にMADムービーを広める形になりました。MADムービーが気軽に見られる世の中になったことで、『魔法少女リリカルなのは』シリーズの魅力、しかも一番良いところを断片的に伝えるプロモーションビデオの役割を果たしたのです。更にニコニコ動画からも、新しい作品や過去の名作が掘り起こされ、勝手に盛り上がる状況が生まれ、期待感が膨らむ中で『魔法少女リリカルなのはStrikerS』が始まりました。
　『魔法少女リリカルなのはStrikerS』は、スバルやティアナたち新人隊員を2クール掛けてじっくりと育てるという、正直、前作と比べてちょっと地味な作品でした。アクション少なめで勢いがない分、それぞれのキャラクターを丁寧に描いているので、MADを作るにしても、『A's』と比べてちょっとやりにくい作品でした。そこに第8話「願い、ふたりで」です。前主人公で（一応）ヒロインと思えない、情け容赦ないなのはの行動は、各地で物議を醸しました。同時に、このシーンは『StrikerS』におけるなのはのキャラクター性を決定付けさせ、なのはが「おかしいな……」といいながら容赦なく叩きのめすMADが大量に生まれ、その中に『冥王計画ゼオライマー』のMADがありました。これが好評で、なのはを差す言葉として“悪魔”→“魔王”→“冥王”がニコニコ動画において定着しました。もちろん、これらの動画は、YouTubeを介しても見ることは出来るのできます。しかも、MADムービーなんて精々1分〜4分くらいです。気軽に見ることが出来るし、リピートされやすいことから、想像しないところで視聴者に強い影響を与えたと考えることが出来るでしょう。
　『魔法少女リリカルなのは』シリーズMADは、ニコニコ動画において特別に再生数は多くないし、ランキングに入ることも少ないです。ただ、数は多いです。MADムービーがたくさん作られることは録画視聴者の多さを示し、盛り上がることは注目度の高さを示します。そして、それらのDVDはほぼ例外なく売れるのです。←結論。

追記
　ちなみに、私自身は第一期『魔法少女リリカルなのは』をリアルタイムでほとんど見ていませんでした。うろ覚えですが、4話か5話くらいで見るのをやめたと思います。で、「なのは面白いわ」と初めて思ったのが、第二期『魔法少女リリカルなのはA's』から。で、前作の物語が改めて知りたくなったので借りて見たのです。

追記の追記
　他にもweb拍手にご意見をいただいたのですが、私が読んで「フムフム」「なるほど」と頷いて一人で納得するところで、今は勘弁してくださいm(_ _)m