★一口読書感想　著：中島かずき『天元突破グレンラガン　4』
著：中島かずき『天元突破グレンラガン　4』

　素晴らしい、TVアニメの感動が甦るようだ。
　4冊分纏めて語りますが、小説の内容は、ノベライズのお手本というか、アニメのストーリーに新エピソードを交えて再編集した形。だけど、アニメを見た人なら読んでいてすぐに画が浮かび、熱い言魂がビシビシ伝わって、感動がぶり返してくること間違いなしです。カミナの死に涙して。シモンのヘタレぶりに失望して。シモン大復活にまた目頭を熱くして。絶望的未来に苦悩するロシウに同情して。それでも、前に進む続けるシモンにアニキの魂を感じて。「お前のドリルは天と地と、明日を貫くドリルじゃねぇか！」最後まで一本筋の通った素晴らしいストーリーだったと改めて思いました。
　DVDを見て、小説を読んで、来る『劇場版 天元突破グレンラガン 【螺巌篇】』に備えるのだ。

　★芳文社が“おんなのこ率100％”の百合アンソロジーを創刊
　今月のコミックエール！の巻末広告で知ったのですが、芳文社が百合アンソロジーを創刊するそうです。

　吉冨昭仁さんのイラストが眩しい百合アンソロジー発売は2009年2月12日（A5、306頁、季刊、予価980円）。
　一部で既に告知されていたけど、気になる面子は、はっとりみつる、宇河弘樹、森永みるく、ナヲコ、釣巻和、きづきあきら、大朋めがね、水谷フーカ、小川ひだり、久藤あき、星逢ひろ、吉成篤、きぎたつみ、宮内由香、そして吉冨昭仁。なかなかバラエティに富んだ面子が、どんな百合マンガを見せてくれるのか楽しみですね。
　一方、コミックエール！本誌には、『いぬかみっ！』の挿絵でお馴染みの若月神無さんによる短期連載「ホーリー☆ホーリー」がスタート。若月神無さんのオリジナルマンガって初めて読んだけど面白かったわぁ。小説の挿絵を描いた人とその小説のコミック版を描いた人が、同じ雑誌で連載を持つなんて大変珍しいです。
　一つ残念なお知らせ。Vol.8から連載開始した須田さぎりさんの『プチ・シェバト -賢者の休日-』が、今号から連載中止。理由は不明ですが、既に他誌での掲載に向けて動いているようです。

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コミック雑誌『コミック エール ! 2009年 02月号』

　★とあるコーヒーショップで、カウンターの席が1つだけ空いていて、隣に座っていた兄ちゃんに空いているか聞いたら、PSPの『ディシディア ファイナルファンタジー』に夢中なようでガン無視された。私も店でゲームしてることがたまにあるけど、周りのお客さんのことくらい気がつくよ。

　★今週の『宇宙をかける少女』第2話について
　第2話にして、結構いろいろなことを詰め込みましたね。

・レオパルドは、どうも秋葉の時代でご禁制のコロニーであり、ICPでも存在をなかったことにしておきたいようす。
・いつきとニーナの怪奇課は窓際部署。ニーナは、イメージ的に後藤隊長みたいな感じ？
・50年前に人工知能が禁止されたとウルが言っていたけど、ナビ人は別なのか？　「ロボット3原則」の縛りがあるから？
・私立スール学園の生徒会は、予想通り胡散臭い集団。
・ほのかはレオパルドの何かを知っていて、QTアームズを扱える秋葉の手助けを必要としてる？
・レオパルドの反物質砲を発射するためにゴールデンオーブを取りに行くとか、深読みすると卑猥なミッションですな（笑
・ほのかの身体能力はある意味で超人だけど、QTアームズは想像していたより弱かった（苦笑
・Qテクターを装着すると、それなりに身体能力が上がる模様。

　思ったことをザッと箇条書きするとこんな感じ。OPネタバレな部分を考えるとまだ謎を残しているから楽しみな反面、結構情報量の多いアニメに思うのでちゃんと風呂敷を畳んでくれるか最後まで気になります。
　そして、案の定ALI PROJECTのOPが、アニメ板の本スレで評判悪くて笑いました。EDは良い曲だからなあ。

　コレ↑、多少無理あるけど、まあ問題はないかな。やはり栗の子の曲の方がイメージと合いますよ。栗の子がダメならせめて妖精帝國とか……と思ったけど、両方『黒神』に取られていてショック（苦笑

追記
　前から気になっていたのですが、キャラクター原案が芳住和之さんになっているけど、あまりその感じがしないのは気のせい？

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新作アニメ「宇宙をかける少女」が4月からBlu-ray/DVD化(AV Watch)

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BDソフト『宇宙をかける少女 Volume 1 (Blu-ray Disc)』

　★一口読書感想　著：バリー・ヒューガート『鳥姫伝』
著：バリー・ヒューガート　訳：和爾桃子『鳥姫伝』

唐代中国の静かな村庫福で、子どもたちが謎の病に倒れた。純朴な村の少年十牛は、助けを求めて北京へ赴き、老賢者李高と出会う。玉にきずある性格ながら、抜群の頭脳を持つ彼の診断では、治療法はたったひとつ、幻の薬草しかない。大力参と呼ばれるその薬草を捜し、李高と十牛は旅に出る。中国全土を巡り、数々の魔物と闘ううちに耳にした手がかりは、鳥姫の不思議な伝説だった
『鳥姫伝』著書紹介より

　物語の語り部である主人公十牛が、さながら『ホームズ』のワトソンを彷彿させ、長命な賢者李高（リーカオ）とくぐり抜けるする冒険の数々に心を躍らせました。しかし、それを差し引いても、最初は西洋文学と中国文学の混ぜ合わさったような非常に読みづらいというか、しんどい小説でした。時代は唐代中国となっていますが、当然全く架空の中国で、時代考証的なこと考えると、「？」が付く場面もしばしば。物語の後半は、慣れてきたせいなのか、どんどん物語に引き込まれ面白いものであったと言えるのですが。
　牛郎織女の神話いわゆる七夕神話をモチーフにした物語が、重要なポイントにあるのも興味深いです。七夕というと日本人に非常に馴染みのある題材で、ミステリでは時々扱われるけど、ファンタジーで扱われるのは珍しいです。
　読んでいる途中で1ヶ所理解に苦しむというか、美的感覚を疑う場面がありました。十牛が、旅の途中で蓮雲という女性と出会い一目惚れするのですが……。

　美人でさえなかった。蓮運はきっすいの田舎娘で、大足に短い大根脚、大きなごつい手にべたっとした平たい顔をしていた。ほんのちょっと立ち止まり、穴かが開くほどぼくを見て、ひょいと小首をかしげる。
（中略）
　この笑いが口では言いあらわせない。まるで、世の中で希望や喜びや愛や笑いをぜんぶ片手のこぶしに握りこんで、そのままぼくの心めがけてぐっと突き出したようなものだ。次に気づいたら、ぼくはひざまずいて彼女の脚を抱きしめ、太ももに頭を押しつけていた。
著：バリー・ヒューガート『鳥姫伝』より

　自分の読解力はおかしいのだろうか、と思うくらい、このブス山さんに惚れる十牛の気持ちが判らなかったです。どうして蓮雲が、人を魅了するのか？　その秘密が明らかになった時、感動のラストシーンへと繋がるのです。

追記
　というか、みんな美麗なカバーイラストに騙されてしまえ。