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ギレンとデギンの会話

デギン
「しかしなギレン、百万の一般国民を疎開させるということは、これは軍人の無能を示すことだ」
ギレン
「わたくしに面と向かってよくおっしゃる」
デギン
「ギレン、わしとて公王制をひいた男だぞ。貴公の軍政のみを支持する」
ギレン
「御覧を」
デギン
「作戦などいい」
ギレン
「我がジオン本国にとって月とア・バオア・クーは最終防衛線です。それに対して地球連邦軍は三つのコースから侵攻することが考えられます。ここを突破されればジオンは裸同然です。その前にソーラ・システムで侵攻する連邦軍艦隊を討つ。このシステムはコロニーを使える為に金も時間もかからずに我がジオンの……」
デギン
「そこまでして勝ってどうするのだ? ギレン」
ギレン
「サインをいただければ幸いです」
デギン
「やっておって今更」
ギレン
「デギン公王あってのジオン公国ですから」
デギン
「で、どうするつもりか?」
ギレン
「せっかく減った人口です、これ以上増やさずに優良な人種だけを残す、それ以外に人類の永遠の平和は望めません。そして、その為にはザビ家独裁による人類のコントロールしかありません」
デギン
「貴公、知っておるか? アドルフ・ヒットラーを」
ギレン
「ヒットラー? 中世期の人物ですな」
デギン
「ああ。独裁者でな、世界を読みきれなかった男だ。貴公はそのヒットラーの尻尾だな」
ギレン
「わたくしが?」
デギン
「わしはジオンの国民を急ぎまとめる方便として公王制を敷いた。ジオンの理想を実現する為に。しかし」
ギレン
「ヒットラーの尻尾のわたくしが独裁制に持ち込んだ」
デギン
「キシリアとな」
ギレン
「はい。絶対民主制は連邦ごとき軟弱を生むだけです。それでは人類は共食いになります、今度の戦争のように。ま、勝ってみせます。ヒットラーの尻尾の戦いぶり、御覧ください。わたくしはア・バオア・クーで指揮をとります」
デギン
「……ヒットラーは敗北したのだぞ」
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