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エギーユ・デラーズ演説(小説版)

 地球連邦軍、ならびにジオン公国の戦士に告ぐ。我々はデラーズ・フリート。
 いわゆる、1年戦争と呼ばれたジオン独立戦争の終戦協定が、偽りの物であることは、誰の目にも明かである。
 何故なら、それはジオン共和国の名を語る売国奴の手によって結ばれたからだ。我々は、いささかも戦いの目的を見失ってはないない。それはまもなく証明されるであろう!
 私は日々想い続けた。3年前のあの日、宇宙市民(スペースノイド)の自治権確立を信じ、あるいは祖国の行く末を案じ、戦いの業火に焼かれていった憂国の士のことを。
 そして今また、敢えてその火中に飛び入らんとする若者のことを!
 宇宙市民の、心からの希求である自治権要求に対し、連邦がその強大な軍事力を行使してささやかなるその芽を摘み取ろうとしている意図を、証明するにたる事実を、私は存じておる!
 見よ、これが我々の戦果だ。このRX-78GP02Aは、核攻撃を目的として開発されたものである。南極条約違反のこの機体が、秘かに開発された事実をもってしても、呪わしき連邦の悪意を、否定できる者が居ろうか!?
 顧みよ! 何故ジオン独立戦争が勃発したのかを。何故我らが、ジオン・ズム・ダイクンと共にあるのかを! 思い返して欲しい。我らの目的を。我らの理念を。一人一人の胸に刻まれた、その熱い使命を!
 我々は3年間待った。もはや、我ら軍団にためらいの吐息を漏らす者はおらん!
 今、真の若人の熱き血潮を我が血として、ここに私は、改めて地球連邦政府に宣戦を布告するものである。
 かりそめの平和への囁きに惑わされることなく、繰り返し、心に聞こえて来る祖国の名誉のために……。
 ジーク・ジオン!
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