ああ、夜は明けて ユラユラ歩を合わせ
近づくのは リリアン女学園の生徒の屍だ
さあ銃をかまえろ 銃爪を
髪の毛も指も 思い出も骨も
砕けよもう一度闇へ帰してやれ
恋人見つけても心を凍らせろ 目を伏せるな
あのね、私たち好きな人に もう一度会うために歩いただけよ
ホラ いつものように ホラ 学校から逃がすな
撃ちまくれ死者に悲しみはないから
撃ちまくれ罪の意識ひとときだ 気の迷いさ
あのね、私たち好きな人の 肌に触れるため歩いただけよ
その深い悲しみから逃れるために 栞は部隊へ志願した
恐らく神のきまぐれで あの世から甦ったリリアン女学園の生徒たち
歩き回る屍を 聖パウロ大聖堂の銀十字架を溶かして鋳造した13mm爆裂撤甲弾で もう一度闇に返し 始末するために
部隊の規律は厳しく 右向け右！
僅かな心の揺らめきも 許されなかった 栞にはかえってそれが心地よかった
このまま何も考えず ただ 少女たちを始末してさえいれば それで 私の人生はOKだ
もう 誰も失う事はない
それはきっと楽な事だから きっと楽な生き方だから
……ある日、栞は屍の中に恋人を見つける
あのね、私好きな人に もう一度会うため歩いただけよ
でもね、許されないのならば どうぞメチャクチャにして欲しいわ
だって、私は好きな人が 血まみれだって抱いてあげるわ
だって、私の好きな人は 血まみれだって抱いてくれるわ
髪の毛も指も 思い出も骨も