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ふたりはプリキュア お散歩キリヤくん
(原題:お散歩モコちゃん)

やあキリヤくん、元気かい? いいお天気だね。
今日は、中学校は休みなの?
じゃ、裏庭の柵を越えてお姉ちゃんと散歩に行こうか。
行きたいとこある?
西へ行く? 東へ行く?
どっちでもいいか、そうよね、そうよ、どこへ行ったって、行った先が着いたところってね。
キリヤくん、ザケンナーには気をつけて、噛まれたらすぐ、藁を煎じて呑むのよ。
キリヤくんはいくつになった? もう十四歳か。
お姉ちゃんは十四歳の頃、周りの人間は、何でこんなにバカばっかり何だろうって思ってたら、自分の方がバカだったわ、うん。
へえ、キリヤくん光の園を知ってるの? メップルには気をつけてよ、あれはすぐに生きる事をあきらめるからね。
ああ、一匹もう死なせてしまったのね。
気にしないでよ、若くして命果てるメップルなんていくらでもいるわ。
お姉ちゃんの仕事かい? 大学で研究員をやってる。
実験したり、論文書いたりしてね。
うん? キリヤくんも部活動でやったって? ああ、同じ様なものだわ。
お姉ちゃんの本業はプリキュアなんだ。
全人類をたった二人で救ってみせるという、空想に取り憑かれているのよ。
大学は、便宜的に利用しているだけなのかもしれないね。
他のお姉ちゃんたちは怒らないのかって?
ああ、どうかねえ……それぞれの生き方があるからね。
……キリヤくん、「便宜的」って言葉の意味わかるかしら?
気をつけて! ザケンナーよ!
電柱に隠れて、一緒に歌おう。
ラララ〜 ラララ〜
あ、なぎさじゃない。
「何してんのほのか?」
キリヤと散歩だよ。
「またそんなこと言って、本当はいたいけな子供さらって、一儲けしようと企んでるんじゃないの?」
当たらずも遠からず……。
「本当に大概にしないと、ザケンナーに食われちゃうわよ、往生しちゃうわよ。それじゃあ、また」
あ! 行っちゃった。
キリヤくんは楽しそうに歌うなあ。
どうして、真っ直ぐに歩きながら君は歌えるの?
お姉ちゃんも楽しく歌いたいなあ。
全人類の事も、光の園の事も考えず。
ただ、楽しく歌っていられたら、なあ。
歌おう、今、私は、これからは、ただ、歌うよ。
たとえこの曲が、コーダに向かって、Max Heartで流れていくとしてもね。
ラララ〜 ああ、キリヤが行っちゃった。
ねえ、もうフェードアウトのかい?

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