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『こんなマリみてはいやだ 燃えよペン編
“特別編 実在人物躍動編”』

プルルルルッ

プルルルル……

ちゃっ

三奈子「はい、新聞部です。
 あ、黄薔薇さま(ロサ・フェティダ)ですか」

「築山三奈子17歳。
 どこにでもいる、ありふれたスパークする新聞バカである!!」

三奈子「打ち合わせ……」

ピクッ

三奈子「わかりました、学生食堂にきてください」
部員B「三奈子さん!」
部員A「三奈子さん!」
三奈子「いってくる!」

シャァァーッ

江利子「あっ三奈子さん!」
三奈子「黄薔薇さま!
 今日は、また」
江利子「いや、実は、そのー三奈子さんに原稿をお願いしたくて」
三奈子「うーむ、しかし、今の状況では物理的に無理ですね。
 いそがしすぎますから」
江利子「いや、しかし、実はもう、勝手で申しわけないんですが。
 仮題つけて予告までのっけてしまいまして、これ、今号のです!
 どうぞ」
三奈子「!?……!!」

新聞部員「ええーーーっ」
真美「そんな、無理ですよっ、三奈子さま!!」
部員B「今だって超スピードでこなしているのに!!」
部員A「そんな原稿いつ書けるんですかっ!?」
三奈子「引き受けてしまったんだから、しょうがないだろう!!」
真美「……人が良すぎる……」
森林「いや……単なる"弱い人間"じゃないのか!?」
新聞部員(ああは、なるまい……!!)
真美「で、その仕事はいつから……」
三奈子「今のがUPしたら、今日は休んでくれ!
 明日からすぐに入る!」
森林「明日からですね。
 わかりました!!」

「そして──翌日」

部員A「おはよう」
真美「お早うございます」

「午後3:30集合」

「午後4:30」

「午後5:30」

真美「三奈子さま、おそいな……」
部員A「まだ原稿ができてないんだろ」

三奈子「くそっ、いい記事が書けん!
 毎日仕事ばっかりしているせいだ!!
 ま、いいか、ビデオでも観てしまえ!」

「午後7:00」

真美「三奈子さま、いつから仕事に入るんですかっ」
三奈子「はっ。
 しっ、しまった」

「時間は、情け容赦なく進んでゆく!
 三奈子は考えた。
 とりあえず、できている原稿の校正と他の記事を部員に先行しておいてもらおう!」
三奈子「ここと、ここと、ここと、ここ」

三奈子「くそっ、いよいよせっぱ詰まってきたかっ」
真美「三奈子さま、原稿が終わりました仕事くださいーっ」
三奈子「ぐわああっ、早すぎるーっ。
 じゃあ、ここと、ここに剣道部レポ。
 ここにテニス部レポ。
 これは、環境整備委員会!!」
真美「はいっ」

「築山三奈子は追いつめられていた!!
 そこにはすでに原稿を考えている新聞記者の姿はなく、部員達に書いてもらった原稿をどうレイアウトして新聞にするか考えあぐねている……、パズラーが一人いるだけだった!!」

三奈子「えーと、これを最後に持ってきて。
 あっ、これは委員会面だ、しまった」
蔦子「よう、三奈子さま」
三奈子「武嶋蔦子!!
 今時分、何をしに!?」
蔦子「机、借りるぜ」
三奈子「うむ……」
蔦子「いや、1人で仕事してると味気なくってさ」
三奈子「そ……そうか」
蔦子「…………」

カリ カリ カリ カリ

カリ カリ

蔦子「ちょっとプリンター借りていいかな」
三奈子「あ……ああ」
蔦子「ちょっと、君ヒマそうだね。
 ここのレイアウトやってくれる」
部員B「は……はい」
蔦子「ちょいと君のヒマそうだね。
 ここにコメント書いてくれる?」
真美「は……はい」
三奈子「あ……あの、これ……レイアウト……」
森林「すみません、いま蔦子さんのレイアウトやってます!」
三奈子「!!」

「そして、数時間後。
 武嶋蔦子の記事はあがり……。
 疲れきった部員達は眠りにつくのである!!」

蔦子「いやあ、悪かったね。
 それじゃあ!」
三奈子「あ……ああ」

「と言いながら、武嶋蔦子は去っていった!!」

蔦子「ふふ……(にやり)。」

「武嶋蔦子、あなどりがたし!!」

「築山三奈子は戦う!
 何がおころうとも、目の前の原稿を埋めるまで、弱音をはくわけにはいかないのだ!」

カリ カリ カリ カリ カリ
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