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『こんなマリみては……ちょーくせになりそう
“新世紀エヴァンゲリオン 第九話「瞬間、心、重ねて」編”』

令「しかし、可南子ちゃんどないしたんやろ」
由乃「学校休んでもう3日かぁ」
令「あれ? 志摩子やんか」
志摩子「3バカトリオの2人」
令「なぁんで志摩子がここにおるんや」
志摩子「瞳子さんのお見舞い。あなたたちこそどうしてここに?」
由乃「可南子さんのお見舞い」
3人「何でここに止まるの(んだ)(んや)」

3人同時にチャイムを押す。
不可解な顔で待つ3人。
令、由乃不思議そうに顔見合わせる。

可南子・瞳子 「はぁい」
令「ウッ……うらぎりもん」
由乃「またしても今時、ペアルック……イヤ〜ンな感じ」
可南子・瞳子「こ、これは日本人は形からはいるものだって無理やり祐巳さま(祐巳)が……」
志摩子「ふ……不潔よッ2人ともッ!」
可南子・瞳子「ご、誤解だよ(だわ)」
志摩子「ゴカイもロッカイもないわ!」
祐巳「あら、いらっしゃい」
令「これは、どういうことか説明して下さい」

リビング。
一同の笑い声。
ランチ、志摩子にだっこされている。
一同和んでいる乃梨子は、書類に目を通している。

令「そんならそうと、はよ言うてくれたらよかったのに」
志摩子「で、ユニゾンはうまくいってるんですか?」
祐巳「それは見ての通りなのよ」

一斉に見る。
まるで全然揃っていない2人。ガックリ。
切れる瞳子。
瞳子の方からたたきつけられるヘッドフォン。バウンドして志摩子の傍らに。

瞳子「あったりまえじゃない! この可南子に合わせてレベル下げるなんてうまく行くわけないわ! どだい、無理な話なのよ!」
祐巳「じゃ、やめとく?」
瞳子「他に人、いないんでしょ」
祐巳「乃梨子ちゃん」
乃梨子「はい」
祐巳「やってみて」
紀子「はい」

乃梨子を見ながら顔色変わる瞳子。
ヘッドセットのスイッチを押す。
可南子と曲合わせの動きをする乃梨子。
きれいにそろっている。
感嘆の一同。
ショックの瞳子。
2人を交互に見るような、目線の微妙な動き。

一同「おおーっ」
祐巳「これは台本変更して、乃梨子と組んだ方がいいかもね」
瞳子「もーっ! イヤッ! やってらんないわ!」
可南子「?」

目に涙を浮かべたまま、飛び出していく瞳子。
思いっきりリビングの引き戸を閉めてる。
立ち上がる志摩子。手に瞳子のヘッドフォン。

志摩子「瞳子さん!」
令「鬼の目にも涙や」
志摩子「か〜な〜こ〜さ〜ん!」
可南子「?」
志摩子「追いかけて!」
可南子「え?」
志摩子「女の子を泣かせたのよ! 責任取りなさいよ」

近くのコンビニ。
ジュースの冷蔵庫に頭を突っ込んでいる瞳子。
可南子の姿見える。
瞳子、顔上げる。

可南子「……あの」
瞳子「何も言わないで。わかってるわ。私は舞台に出るしかないのよ。……やるわ。私。こうなったら何としても乃梨子や祐巳を見返してやるのよ!」
可南子「そんな、見返すだなんて」
瞳子「何甘いこと言ってんのよ! 紅薔薇のつぼみの妹のくせに! 傷つけられたプライドは、十倍にして返してやるのよ!」
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