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マリア様がみてる GHOST IN THE SHELL

由乃「クボシオリって……あの行方不明になったうちの生徒が?」
祐巳「国籍推定日本。年齢、性別、経歴全て抹消済み。去年の冬頃から主に九州圏に出没。株価操作、情報収集、政治工作、テロ……電脳倫理侵害。その他十数件の容疑で国際手配中の容疑者。16歳までの女性をゴーストハックして操る手口から、ついたコードネームが“シスタープリンセス”。……この東京に現れたのは3年ぶりよ」
由乃「そんな凄腕が、なんでアリスなんかで」
祐巳「リリアンの生徒だと確かに発覚しにくいし、逆探も難しいわ。でもそれだと、状況から直ちに前白薔薇さまだった聖さまに疑いがかかる」
由乃「スポンサーである聖さまが、疑いをそらすためにわざと花寺の生徒を使わせた?」
祐巳「あるいは、我々にそう思わせたい別のスポンサーがいるのか……案外聖さま自身も踊らされている一人かもね」
由乃「考えすぎなんじゃない? いまのところ、なんの根拠もないし」
祐巳「根拠ですって? そう囁くのよ……私のゴーストが。ところで、まだ刀を使っているんだって? 姉妹単位(ツーマンセル)で二挺ぶら下げてもジャムが怖い?」
由乃「私は刀が好きなの!」
祐巳「援護される身としちゃ実効制圧力を問題にしたいわ。ヤバイ目に遭うのは私なんだからSOCOMにしなさい」

ひかり「疑似体験って、どういうことです?」
蔦子「だから、キョウコさんも入院も手術もリリアン入学も全部偽物の記憶で、夢のようなものです。あなたは、何者かに利用されて、学園関係者にゴーストハックを仕掛けてたんですよ」
ひかり「そんな……まさか!」
蔦子「あなたのマンションに行って来ました。クローゼットの中から大仲女子高等学校の制服が見つかりました」
ひかり「そんなばかな、確かに私はリリアンを受験して、面接で……」
蔦子「あなたは大仲女子高等学校の3年に在籍しているんですよ! キョウコさんもお姉さまもいやしない! あなたの頭の中だけ存在するリリアン生なんですよ! ごらんなさい、あなたが同級生に見せようとした写真に誰が写っています?」
ひかり「確かに写っていたんです……。私のお姉さま……まるで天使のように笑って」
蔦子「そのお姉さまの名前は? お姉さまとはいつどこで知り合い、姉妹の契りをしました? そこに写っているのは誰です?」
ひかり「……そのウソ夢、どうやったら消せるんです?」
蔦子「残念ながら、現在の技術では……成功が2例報告されているだけで、とてもお薦めできません。お気の毒です……」

志摩子「疑似体験も夢も、存在する情報は全て現実であり、そして幻なんだわ。どっちにせよ、一人の人間が一生のうちに触れる情報なんて僅かなものよ」
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