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マリア様がみてる SHADOW SKILL “WHITE LIGHTNING”
祥子「へぇー、魔獣狩り部って魔獣だけじゃなくて、人も探すんだな。で、誰探してんの?」
詠心「探してる人は、野獣より強い方でね。でもたった今見つかりましたよ。『ロサ・キネンシス』様……」
祥子「何だよ……また魔獣とっ捕まえてくれとか言うんじゃねぇだろうなぁ」
詠心「用があるのは私じゃない……彼女よ」
祥子「てっ!! 手前ぇ!!」
令「どうしたのよ、祥子。いきなり真剣になっちゃって……!! 祥子……この子」
祐巳「!!」
由乃「祐巳さん──誰なんです、あの人……」
祐巳「まだ、山百合会幹部(セヴァール)にもなっていないのに、あまりの強さで、もう字名を持っていて、色んな生徒と戦って勝ってる。──名前は、藤堂志摩子!! そして、字名は──『ロサ・ギガンティア』」
志摩子「ずいぶん探したよ、私──あんた達を……」
祥子「お前、ずいぶんと無茶して色んな奴と戦ってんだろ。あたいと事、起こす気でいるのかい?」
志摩子「学園最強って言われてる『ロサ・キネンシス』と戦う──か……面白そうだけど、今回は駄目なんだ」
祐巳「えっ?」
志摩子「今回の私の相手は──」
祐巳(速い!!)
志摩子「君なんだ、福沢祐巳!!」
刃拳(ハーケン)
祐巳(まるで──閃光だ!!)
祐巳「ぐっ!!」
打我(ダガー)
志摩子「『足受け(フットブロック)』──影技の基本の技、確か『打我』って言ったっけ……」
祐巳(『刃拳』!! この人も使い手なんだ!!)
志摩子「初手で殺せなかった相手は久しいよ!! 面白いわ、この仕事……」
祐巳(リリアン流交殺法の使い手……)
志摩子「君みたいな強いヤツと戦うってのは、私たちみたいな戦うしか出来ないバカには、最高の喜びだよな!!」
祐巳「喜び……」
志摩子「まぁどうでもいいさっ! それより、この勝負、受けてもらうわっ!!」
祐巳(回り込んだ!!)
祐巳「くっ!!」
志摩子「遅い!!」
祐巳「ちいいっ!!」
志摩子(そんなスローな『腕受け(アームブロック)』が。間に合うものかよっ!!)
滅刺(メイス)
由乃「祐巳さんっ」
令「駄目よ、邪魔しては!!」
由乃「令ちゃん!! どうしてですか!! このままじゃ、祐巳さんが死んじゃうかも……」
令「それでも……私達は止めてはいけないのよ。戦いが始まったら、あの二人以外、誰も止められない。例え死ぬ事があっても止めてはいけない。そういう世界に住んでいるのよ、彼女らは」
由乃「でも……でも……」
令「由乃!! 止めるのをガマンしてるのは、私とあなただけじゃないわ!!」
由乃「!!」
祥子(祐巳……手前ぇ……。このまま死んで、お姉ちゃん泣かすつもりじゃねぇだろうなぁ!! ええ!! 祐巳よぉ!!)
志摩子「なるほど、そういう事かよ。どうも手応えがおかしいと思ったら……。よけられねぇと読んで、右腕を捨てて頭をかばったか──たいした奴だよお前!!」
祐巳「
我は無敵なり」
志摩子「一撃必殺の『滅刺』をうけて尚立つ──その戦いにかける執念に、私も……私も答える!!」
志摩子「
我は不敗なり」
祥子(武技言語!!)
志摩子「
我が薔薇は」
祥子(山百合会幹部以外に武技言語を使える奴が、祐巳の他にもいやがったのか!!)
志摩子「
白き閃光 我が閃光は不敗なり」
リリアン流交殺法 表門 死殺技 渺阯(ハルバート)
由乃「いやああっ!!」
志摩子「!!」
「水!!」
「水道管だっ! 水道管が砕けて、吹き出しやがったっ!!」
「トラックが沈むぞっ!!」
「荷は捨てろ!! 全員退避!!」
令「支倉令が剣に問う!! 答えよ、其は何ぞっ」
(我は消滅 黒き消滅 黒き風になり変わり 貴公の敵を消し去るものなり)
令「祥子!!」
令(この混乱の中で祐巳ちゃんを助けようって気なの!!)
志摩子「そこまで!! おやめ下さい!! 『ロサ・キネンシス』様。学園長『ホーク・アイ』上村佐織様よりの召喚状です!!」
祥子(召喚状!!)
由乃「ゆ、祐巳さぁぁん!!」