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マリア様がみてるSRPG 『ファイアーエムブレム 紅炎の戦姫』
支援会話 祥子×祐巳

祥子「祐巳、平気?」
祐巳「祥子さま! はい、大丈夫です」
祥子「そう……よかった。でも、あまり一人では動かないで。どこに強盗がいるかわからないんだから」
祐巳「あ、はい」
祥子「それから、携帯常備薬はちゃんと持ってる? 部屋着も足りない物はない?」
祐巳「え? えっと……常備薬は、ここにあって……。それから……スウェットが……こっちに……あれれ?」
祥子「祐巳、落ち着いて。私が側にいるから、ゆっくり確認すればいいのよ?」
祐巳「祥子さま……でも、これじゃ立場が逆です。私が、お世話しないといけないのに……」
祥子「いいのよ、祐巳。私は平気なんだから。学校にいる時だって、私がいつも、あなたを守っていた。そうでしょ?」
祐巳「でも……」
祥子「『でも』は、なしよ。さ、行きましょ! 祐巳」
祐巳「あ……! 祥子さま……」

祐巳「きゃあっ」
祥子「祐巳!? 倒れ込んできてどうしたの! 何があったの!?」
祐巳「ご、ごめんなさい……虫が飛んできたから、つい……」
祥子「もう……びっくりさせないで。ふふ、でもなんだか思い出しちゃった。祐巳、覚えてる? 初めて出会った時のこと」
祐巳「あ、そ、それは……」
祥子「マリア様の前で手を合わせていたあなたに、たまたま声をかけてタイを直してあげたら、祐巳ったら口を半開きにして……」
祐巳「だ、だって、初めてお話ししたんですもの。私、すごく緊張して……」
祥子「その放課後に祐巳、薔薇の館で私に押しつぶされちゃったのよね。まさかあの後、あなたが私の妹になることを断るだなんて思わなかったな」
祐巳「い、言わないで……ください。恥ずかしいから……。自分では生意気なこと言っちゃって、すごく気持ちの整理が大変だったんです」
祥子「ふふ、大丈夫。ちゃんと判っていたわ。それに旅行の時の事も、私と祐巳の秘密、ね?」
祐巳「約束……ですよ」
祥子「……あの旅行は、楽しかったわね。風渡る緑の高原に、私がいて、祐巳がいて……」
祐巳「祥子さま……?」

祥子「ふぅ」
祐巳「祥子さま? あの……大丈夫ですか?」
祥子「あ、祐巳……」
祐巳「何か、お困りですか? 私……力になれます?」
祥子「……ありがとう。別に大したことじゃないの。話してもどうにもならないから……」
祐巳「……柏木さんのこと?」
祥子「え?」
祐巳「私にまで、隠さないで! ……お姉さまは、柏木さんが好きなんでしょ? だって……私、知ってるもの。お姉さまが時々、一人で薔薇の館を抜け出して……温室の奥に座ってたの……」
祥子「……身勝手だとは思うの。優さんは、あんな方で……。でも小笠原を継げるのは、彼しかいないって……わかってるけど……」
祐巳「無理しないで。……お父様だって祥子さまのこと、わかってくれる。柏木さんの隣にいるのが、お姉さまに一番似合ってるもの」
祥子「……祐巳。ねぇ、気付いてる? さっきから私の呼び方が、『お姉さま』に戻ってるわ。それに言葉づかいも……」
祐巳「あ! す、すみません! 私ったら、つい……」
祥子「やめて! 祐巳、お願いだから……。一緒にいるためだって言うから……ずっと我慢していたわ。でも、やっぱりだめ。もう限界よ。私、ずっと淋しかったわ。優さんと離れて、妹のあなたもそんな、よそよそしい態度でしか接してくれなくて……。薔薇さまがなんだって言うの? 私は私、祐巳は祐巳じゃない! ね、お願いよ。普通に話して。昔みたいに」
祐巳「お姉さま……ごめんね、私……。お姉さまがそんな風に私のこと思ってくれているなんて……」
祥子「いつか、私が結婚する時は、いっしょに来て。今みたいに、あなたを妹にすることはできないけど……。友達として、あなたの力を借りたいの、祐巳」
祐巳「うん。わかった……いっしょにいようね。何があっても……これからも、ずっと……」
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