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マリア様がみてるSRPG 『ファイアーエムブレム 紅炎の戦姫』
支援会話 祐麒×アリス

祐麒「アリス、おまえ、また具合が悪いのか?」
有栖川「いいえ、今は大丈夫です。いつもご迷惑をかけてすみません……」
祐麒「なら、俺に言いたいことでもあるのか?」
有栖川「! どうしてそれを?」
祐麒「顔色を見ればわかる。……おまえの気がかりは柏木への復讐のことか?」
有栖川「は、はい……どうしても、お気持ちを改めていただくことはできませんか?」
祐麒「改める気があったなら今ここには居ないだろうな」
有栖川「福沢公爵さまと奥さまは……私にとっても大切な方々です……。失ったことへの悲しい気持ちも、憤りもあります。でも……」
祐麒「無念を晴らした所で二人は帰って来ないだろう。柏木家への面当てに優を襲ったところで、新たな憎しみを生むだけだ」
有栖川「そう判っておられるのにどうして……? どうしてなんですか……?」
祐麒「福沢家を取り潰しから2年だ……おまえは、奴らが犯した罪を忘れろと俺に説く。慈悲深き神の教えで、仇の身を案じる余裕ができたか?」
有栖川「ち……違います! 違います、祐麒さま!!」
祐麒「俺は……簡単に割り切れない。所詮、おまえにとって俺たちはかりそめの家族でしかなかったと、そういうことなのか?」
有栖川「祐麒さま、聞いてください! 違うんです! 私はただ……」
祐麒「俺の行動に文句があるならついて来なければいい。それだけの話だろう? どこへなりと行くがいい……」
有栖川「祐麒さまっ!!」
有栖川「……祐麒さま」
祐麒「まだ居たのか、アリス。うろうろされると気に障る。家に帰らないなら後ろへ引っ込んでろ」
有栖川「……帰る所などありません。あるとすれば福沢家がわたしの帰るところでした……」
祐麒「福沢家はもう無い。縛られる必要はないと何度言えば判る?」
有栖川「祐麒さまこそ何度言えば復讐をあきらめてくださるのですか?」
祐麒「うるさい! その話を蒸し返すなと……」
有栖川「いいえ! 今日こそ言わせていただきます!! 祐麒さまは、復讐など考える方ではありません!」
祐麒「お前に俺の何がわかる!」
有栖川「今のあなた以上に、祐麒さまご自身のことを私は知っています! 幼いころからずっとずっと一緒だったんですから!! 口では、そうやって私を突き放すようなことばかりおっしゃって……。でも、本当はいつだって気遣ってくださる! あなたは、自分が思うほど変わってなんかいない!!」
祐麒「アリス、声が大きい!」
有栖川「いやです! もういやです!! どうして、変わったふりをなさるのですか!? それを教えてくださるまで、私はここを動きません!! 私のことが気に障るならこのまま放っておいてくださればいい! 私のことなど無視してくださればいい!!」
祐麒「……わかった。わかったから……落ち着け。子供か、お前は……」
有栖川「……」
祐麒「おまえの方が年上なんだぞ? 自覚あるのか?」
有栖川「……すみませんでした……」
祐麒「……怖かったんだ」
有栖川「え?」
祐麒「俺にとって……おまえは家族だ。祐巳は……もう、そう思ってはいけないだろうからな。……その家族を失うのが怖かった」
有栖川「…………そ……んな……」
祐麒「だから、おまえを戦場から遠ざけたかった。……だが、辛い思いをさせたようだな、すまない」
有栖川「祐麒さま……!」

祐麒「最近調子はどうだ? また発作が出たりしてないか?」
有栖川「ええ、とっても元気です! ご心配ありがとうございます……。祥子さま、優さま、祐巳さま……そしてみなさんもとてもよくしてくださるので体調は良好です」
祐麒「そうか。よかったな。アリス……おまえに聞きたいことがある」
有栖川「なんでしょう?」
祐麒「柏木家の賢が我が福沢を陥れ両親を死に追いやった……これは、真実だと思うか?」
有栖川「……公爵さまたちは、誰かの手によって陥れられた……それは間違いありません。ですが、それが柏木家かどうかは……疑わしいと思います」
祐麒「……そうだな。当時の俺は絶望のあまり噂を鵜呑みにし……疑いもしなかった。柏木家が白か黒か……そんなことはどうでもよかった。憎む対象を作ることで悲しみを紛らわせるしかなかった……」
有栖川「……それは仕方ないことでしょう?」
祐麒「おまえが近くにいたのにな、もっと素直に悲しみを分かち合えばよかったんだ」
有栖川「祐麒さま……」
祐麒「祥子さまたちに会って目が覚めた。俺も、柏木家が黒幕だとは思わない……。いつか……そうだな、この戦いが終わった後にでも真実を見極める旅に出る。疑った分の借り、ちゃんと返してからな」
有栖川「……はい!」
祐麒「あ、おまえは留守番だ」
有栖川「え!? いやです、そんなの!」
祐麒「俺だって帰る家ぐらいほしいんだ。大人しく待ってろ」
有栖川「お嫁さんをもらえばいいじゃないですか! そして私はお供に……」
祐麒「嫁なんてめんどくさい。これ以上口うるさいのが増えるとたまらんしな」
有栖川「ど、どういう意味ですか!?」
祐麒「そういう意味だ」
有栖川「ちょっと待ってください! 祐麒さまってば!!」
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