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マリア様がみてるSRPG 『ファイアーエムブレム 紅炎の戦姫』
支援会話 江利子×祐巳

祐巳「あの……山辺公爵夫人ですか? 私……福沢祐巳と申します。よ、よろしくお願いします!」
江利子「まぁ、これはご丁寧に。私、江利子と申します。こちらこそ、よろしくお願いします」
祐巳「あ、は、はい!」
江利子「同じ騎士として、仲良くしていただけると光栄だわ」
祐巳「…………」
江利子「祐巳ちゃん?」
祐巳「……あ、あの……山辺公爵夫人……その……」
江利子「江利子、でいいわよ」
祐巳「あ、では私も江利子さまと……じゃなくって、えっともう! どうしてちゃんと喋れないの?」
江利子「落ち着いて、祐巳ちゃん。ゆっくり深呼吸して……はい、もう大丈夫ね?」
祐巳「あ、ありがとうございます。それで、あの突然なんですけど、私……! 江利子さまにお願いがあるんです!」
江利子「どんなこと? 私にできることだったら、喜んで」
祐巳「わ、わたしに……レディの作法を教えて下さい!!」

江利子「……ですから。どうしてそんなにレディにこだわっているの? 祐巳ちゃんは、そのままで十分、可愛らしいのに……」
祐巳「……可愛いだけじゃだめなんです。江利子さまみたいに綺麗で、優雅じゃないと!」
江利子「理由を聞いてもよろしくって?」
祐巳「……気になる人がいるんです。でも、私なんか没落貴族の娘だから……。いつも、一人前の女性扱いされない気がして……」
江利子「……祐巳ちゃん。習い事だけが女性の魅力ではないわよ。確かに私は、一通り身に付けたけど……。夫が……剛さんが私を選んでくれたのは、別の理由なの」
祐巳「それは、なんですか?」
江利子「ふふ、あれは私が18の時……ちょうど、今の祐巳ちゃんと同じくらいの歳ね? 山辺公爵家には、許嫁候補が20人も集められたの」
祐巳「20人……!」
江利子「剛さんがご覧になる前で、一人ずつ、自分の特技を披露し、なんとか気に入ってもらえるようみんな必死だったわ。私のその一人……でもそこに集まっていたのは、神奈川王国貴族の美姫ばかり。歌、踊り、楽器の演奏、詩の朗読、どれ一つとして、私が一番になれるものはなかったの」
祐巳「そ、それなのに……どうして選ばれたんですか?」
江利子「……私は、剛さんに『トマホークが一番得意です』って言ったわ。それから……『剛さんはお守りしますので、どうか、お嫁さんにして下さい』ともね」
祐巳「本当……ですか?」
江利子「私が顔を真っ赤にして言い終わった時、部屋中で笑いがおきたわ。……ばかな小娘を嘲り、見下した笑い……。でも、その中で一人だけ……とても優しい瞳で微笑んでくれる人がいたの。……それが、剛さんよ」
祐巳「……」
江利子「『あなたのように、素直な女性は初めてだ……江利子さん』そう言って、私の手を取ってくれたの……。私、天にも昇る思いだったわ。だからね、祐巳ちゃん。どんなに自分を偽るよりも、好きな男性には、本当の……有りの儘の自分を見せなくてはだめ。自信を持って。あなたほどの可愛い女の子、ちょっといないわよ。私が保証するわ」
祐巳「江利子さま……ありがとうございます。私、がんばります! ……………………好きなのは男性じゃないんだけど」
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