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マリア様がみてるSRPG 『ファイアーエムブレム 紅炎の戦姫』
支援会話 静×聖

静「戦いに傷ついた心を癒す調べ……。よろしければ1曲いかがですか」
聖「あなたは確か……。いつも、祥子将軍の側にいる吟遊詩人ですね」
静「はい、静と言います」
聖「……静さん。あなたは、その、もしかしたら……。いや、そんなはずはない。判っているはずなのに……すみません」
静「……いえ、私は、あなたの知っているどなたかによく似ている……そうでしょう?」
聖「! まさか……」
静「……こうして目の前で話していても、信じてもらえないのかしら……。私は自分で思っているほど、臣下に信用がないのかな? 聖」
聖「忍王女っ! やはり、忍王女なのですね! ああっ、本当に……よくぞご無事で……!」
静「聖、少し見ない間に立派になったわね」
聖「王女がおられなくなってから、1年と少し……。神奈川王国は、様変わりしてしまいました」
静「知っているわ。苦労をかけたわね」
聖「私は、千葉半島に駐留してしましたから、そこまでは……。本当に……ご無事で……。きっと、神奈川の民全てが、あなたのお戻りに歓喜するでしょうね」
静「……」

聖「しの……いえ、静さま! こちらにおられましたか」
静「……聖将軍、少しこちらへ」
聖「? はい、なんでしょうか」
静「……『さま』」
聖「さま? 『さま』とは?」
静「……自覚がないのね、困ったものだわ」
聖「……私が、なにか……?」
静「……人が来たわね。また、日を改めて」
聖「……?」

静「……ここなら、邪魔が入らないわね」
聖「し……静さま、折り入って話とは? やはり、神奈川の……」
静「そうではないわ。この間の話の続きを……」
聖「あ、はい。「さま」……ですか?」
静「……神奈川貴族が、吟遊詩人を相手に「さま」付けは、不自然だと思わない?」
聖「あ……! そうですね。申し訳ありません!! それでは、静さん……とお呼びします」
静「呼び捨てで構わないわ」
聖「だめです! いかに姿を隠されていても、喩え、仮初めの名であっても、王女を呼び捨てにするなど、私にはできません」
静「ふふっ……昔から変わらないのね」
聖「え?」
静「幼い頃から聖は、父博之公に伴われ、よく王宮に来ていたでしょう」
聖「はい。物心ついた時には……」
静「姉妹のいない私は、お姉さんのようなあなたに憧れて。……私もまだ若かったからね。博之公にこう言ったのよ。『本日より、わが姉とするから、横浜王宮に住まわせるように』と」
聖「! 王女が? そんなことをおっしゃったのですか?」
静「我ながら、無茶なことを言ったわ。さすがに顔を青くする博之公の横で、あなたが……」
聖「私が……」
静「あなたが、私を見ながら言った言葉は『だめです』だったわよ」
聖「……覚えていません」
静「『わたしは、おうじょの“きし”になるから、だめです』一言違えず、この通りだったわよ。『“お姉さま”はちがう人にしてください!』とも言ったわね」
聖「……な、なんて失礼なことを……。子供の頃とはいえ、も、申し訳ありません……」
静「気にしなくていいわ。あなたの、その変わらないところは、私にとって救いになるのよ。……死の淵から戻ってきた時、世界はそれまでと、まるで、別のものに見えたわ……。しかし、本当は何も……変わっていないのかもしれないわね」
静「忍王女……」
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