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諸君、私は河原が好きだ

ちさと「5月の阪神の成績は11勝11敗。辛うじて勝率5割をキープしているけど、Vロードを目指すなら勝ち越しで終わりたかったわ」
乃梨子「それをいうなら、横浜だって7勝16敗で先月の貯金はチャラ」
ちさと「阪神戦で稼がせてあげたのにだらしないわね」
乃梨子「その阪神戦以外で勝ち越していないから、Bクラス何じゃないですか」
由乃「おーっほほほほほほっ。お二人とも最初の勢いはどこへいったのかしら」
ちさと「うるさいよ」
由乃「開幕当初に感じた不安は、機能し始めた打線のおかげで5月を14勝9敗。尻上がりに調子を上げてきたわ」
乃梨子「相変わらず、中継ぎと抑えがまるでダメですけどね」
ちさと「小久保もケガしたしね。大体、先発要員を中継ぎに出さなきゃならないのが痛いわね」
乃梨子「セットアッパーに林と河原が出れば“勝った”と思えちゃいます」
ちさと「諸君、私は河原が好きだ。諸君、私は河原が好きだ。諸君、私は泡様が大好きだ」
由乃「泡様言うな!」

参考サイト
FLASH「諸君、私は河原が好きだ」

パリーグが5球団に!? ありえない!

ちさと「大変よ! 乃梨子ちゃん!!」
乃梨子「な、何ですか!?」
ちさと「とんでもないことになったわ」
乃梨子「だから、何が?」
ちさと「あなた、スポーツ新聞読んでないの?」
乃梨子「うちは、スポーツ新聞を取ってません」
祥子「さっきから、何を騒いでいるの?」
ちさと「ああっ、祥子さまっ。聞いてください! 近鉄が……大阪近鉄バッファローズがっ!」
祥子「オリックス・ブルーウェーブに吸収合併されてしまうのね」
乃梨子「なんですって!?」

ガタガタッ ドサッ

乃梨子「可南子さんっ! ……気絶してる。あまり口には出さないけど、近鉄ファンだったから」
ちさと「今月17日のパリーグ臨時理事会、21日のパリーグ理事会及びプロ野球実行委員会で、今回の合併について話し合われ。来月7日の12球団オーナー会議で、3/4以上の賛成を得られれば、近鉄とオリックスの合併が承認されるわ」
祥子「今回の合併について、各球団の代表やオーナーはあまり具体的なコメントを控えているけど、反対の声は少ないからこのまま決まってしまいそうね」
ちさと「このままでは、パリーグは5球団になってしまうわ。もうパリーグ存続の危機よ」
由乃「ちょっとまって。5球団になると、何でパリーグ存続の危機なのよ。メジャーリーグだって、地区によっては5球団じゃない」
ちさと「あんたバカ? メジャーリーグは、チームの所属する地区だけじゃなくて他の地区とも試合をしてるの。例えばシアトル・マリナーズは、所属する西地区の各チームと19〜20試合して、さらに中地区、東地区の各チームと7〜9試合するのよ」
祥子「今やっている他のリーグとの交流試合インターリーグ以外は直接順位に関係するから、結果として各チーム13、4球団と試合をしているわ」
ちさと「判ったか、ナイムネ」
由乃「そ、それは判ったけど、パリーグ存続の危機ってのが判らないの」
乃梨子「5球団になってしまうと、現行の試合日程では一日に2試合しか組めず、余った1球団は4日間試合が無く休まなくてはなりません。奇数球団ではうまく試合日程を組めない上に、選手のモチベーションが休みの間に下がってしまう場合があります。もちろん彼らもプロですから、仮にモチベーションが下がるとしてもかなり微妙な差になると思いますが、プロだからこそ微妙な差が勝敗に影響します」
祥子「それだけじゃなくて、各球団ひと月の試合数が減る上に、急な合併話だからファン離れが心配だわ。今まで近鉄ファンが、そのままオリックスファンになるとは限らないからね」
ちさと「5球団でやるには、1チーム3試合制を捨てて、かなり抜本的な試合日程の変更が必要。一部では、現在の2リーグ制から1リーグ制にすることを含めた球界再編へ動き出す気配があるわ」
由乃「単純に考えれば、1リーグ制なら巨人戦や阪神戦みたいな確実なドル箱試合を組めるわけだから、球団の利益になると思うけど」
ちさと「さっきも乃梨子ちゃんがいったけど、奇数球団では必ず1チームが試合を組めないの。さらにもう一球団が合併して10球団にならないと、無駄なく試合を組めないでしょ」
乃梨子「複雑に入り組んだ試合日程と球団が増えることによる判りにくい順位変動。前半戦を消化した段階で上位チームと下位チームとの差があまりにも開きすぎると、返ってファン離れを引き起こす場合があります」
祥子「イタリアのプロサッカーリーグ“セリエA”には、下位3チームが格下の“セリエB”降格するというシステムがある。だから下位チームでも、降格を避けるために高いモチベーションで試合をするわ。でも、今のプロ野球で、11球団1リーグ制をしたとして、下位チームが高いモチベーションで試合ができるかしら?」
乃梨子「1リーグ制にするなら、上位6チームによるプレーオフ制を本格導入して、下位チームにもチャンスを与えることが大前提ですね」
ちさと「それだと、上位チームは1位になることを目指し、下位チームは6位を目指すようになる。結局、今まで通りの2リーグ制とあまり変わらない」
祥子「そんなことなら、1リーグ制にするよりも、2リーグ制を維持しつつ全球団と対戦する形式をとった方がいいわ」
ちさと「メジャーリーグと同じように、ですね」
祥子「正確には、メジャーの各リーグの試合形式ね」
由乃「今、もう一つ重要なことに気が付いた」
ちさと「なんとなく判ったけど、一応聞いておくわ」
由乃「近鉄とオリックスが合併しても、野球協約では1球団の選手枠は70名だから、余った選手たちはどうなるのよ」
祥子「プロ野球協約の第8章第57条及び第57条の2では、
第57条 (連盟の応急処置)
ある球団の事情により、その球団の選手、監督、コーチの全員が、この協約の拘束力の外におかれるおそれがある場合、この組織の秩序維持のため、応急処置として所属連盟がこれ等の選手、監督ならびにコーチ全員を一時保有することができる。このような事態が年度連盟選手権試合シーズン中に発生した場合には、シーズン終了の日から、またシーズン終了後に発生した場合には発生日から30日間を超えて、前項の処置を継続してはならない。連盟が保有する期間における選手、監督、コーチならびにその他必要な範囲の職員の参稼報酬、手当および給料は連盟が負担する。
第1項の場合連盟会長は、前項の期間内に新しく球団保有者になろうとするものをさがし、その球団保有予定者と前記選手、監督、コーチならびに必要な職員との契約および雇傭につき斡旋を行わなければならない。
前項の斡旋が失敗した場合、連盟会長は監督、コーチならびに職員を契約解除し、選手については第105条(ウェイバーの公示)の規定を準用して、ウェイバーの対象としなければならない。
なお、選手はこの措置に服従しなければならない。

第57条の2(選手の救済措置)
球団の合併、破産等もっぱら球団の事情によりその球団の支配下選手が一斉に契約を解除された場合、または前条による連盟会長の斡旋が失敗し同様の事態となった場合、もしくは斡旋が不調に終わるおそれが大きい場合は、実行委員会およびオーナー会議の議決により、他の球団の支配下選手の数は前記議決で定められた期間80名以内に拡大され、契約解除された選手を可能な限り救済するものとする。
 とあるわ。でも、各球団の選手枠が一時的に拡大しても、再契約するかどうかは全く別の話」
乃梨子「このご時世、余剰人員に等しい2軍か1軍半の選手を雇い入れるほど体力のある球団は少ないですよ」
ちさと「近鉄とオリックス合わせて約130人ほどの選手の内、球団に残れるのは80人。残り50人を他の10球団が獲得に動くワケだけど、まあ再契約できるのはその内の半分くらいかしらね」
由乃「う〜ん、これほど複雑な問題を抱えているのなら、球団合併じゃなくて売却の道を歩めなかったのかしら?」
ちさと「それが無理だったから、合併になったんでしょうが。大体、球団を譲渡するには」
由乃「球団経営権を譲り受けたら、30億円の加盟料を日本野球機構に支払わなければならない。そうでしょ」
ちさと「そういうこと。野球協約第36条の6にあるわ。球団の買い取り額の他に30億用意しなければならない現在の野球協約が、近鉄とオリックスを合併に走らせた原因なのよ」
乃梨子「よほどのゆとりのある企業でない限り、今の大阪近鉄を買収なんて……」

ちさと「そうよねえ。外資系の企業が買い取って、いわゆるメジャー式球団運営をしてくれるとか……。…………(チラッ)。」
祥子「? ちさとちゃん、何をじっと見たりして? 私の顔に何か付いてる?」
ちさと「そうだわ。その手があったわよねえ」
祥子「?」
ちさと「天下の小笠原グループが、大阪近鉄バッファローズを買収すればいいのよ」
祥子「はあ!?」
ちさと「あの小笠原グループなら、買収して加盟料を払って、大阪近鉄バッファローズを救ってくれるはずだわ!」
祥子「なっ? 何を考えているの!?」
ちさと「お願いします! 祥子さま! 近鉄を……大阪を救ってください!!」
祥子「そんなことを私に言われても困るわ」
ちさと「そこを何とか……ちょっとお祖父様やお父様に言ってくださるだけで良いんです」
祥子「……正直に言って、年間赤字40億の球団をお祖父様が買収するとは思えないわ。赤字球団を抱え込んだと投資家が判断したら、小笠原グループの株価が下がってしまうもの」
ちさと「そ、そんなあ……_| ̄|●」

参考サイト
日本プロフェッショナル野球協約2004年度版 (pdfファイル)(日本プロ野球選手会公式ホームページ)

ゲキトウ

ちさと「昔のことなんかどうでもいい!
 どうでもいいことだっ!!!
 男は過ぎ去った思い出に生きているのではない!!
 今という現在に生きているのだ!!
 昔、前に進んで隆盛をきわめていた記憶よりも!!
 今、前に進んでいるかどうかが重要なのだっ!!

乃梨子「何をいきなり言い出すんですか?」
ちさと「島本和彦の最新刊『ゲキトウ』は面白かったなあ、と思ってね。それはさておき、なんかもうロッテはヤバイらしいわねえ。来季5球団なら経営壊滅的ですって」
乃梨子「知らなかったんですか? 先日のスポーツ紙はほぼ全部一面で取り上げてましたよ」
ちさと「いやあ、うちはデイリースポーツだから」
乃梨子「ロッテの危機より阪神の勝利ですか。阪神は打順を去年と同じようにしたら絶好調ですものね」 ちさと「なんで最初にこうしなかったのかと、どんでんに問いつめたいわ」
乃梨子「どんでん?」
ちさと「岡田監督のことよ。知らないの? 昔関西風うどんだしのCMで「どんでんでんねん」って坂田師匠と掛け合ってたから、付いたあだ名が“どんでん”」
乃梨子「あだ名? ネットスラングじゃないですか?」
ちさと「どっちでもええやん」

可南子ちゃんの好きな人は?

ちさと「今日は特別ゲストに可奈ちゃんをお呼びしました〜」
乃梨子「可奈ちゃん?」
可南子「(´・ω・`) ショボーン」
乃梨子「なんだ、可南子さんか」
ちさと「近鉄バファローズが無くなってしまうショックに打ち震える可南ちゃんをみんなで慰めてあげましょ」
乃梨子「どうやって?」
ちさと「そりゃあもう、あーんなこととか、こーんなこととか」
乃梨子「それじゃ、判りません」
ちさと「やだ……恥ずかしい……口が裂けても言えないわ」
乃梨子「自分が言って恥ずかしいことを他人にやらすつもりですか?」
ちさと「まあ、冗談は置いておいて。近鉄とオリックスの合併後の選手配分だけど、プロテクト枠25人+外国人5人で、残りはウェーバーでというのが私の案なんだけどどう?」
乃梨子「巨人の渡辺恒雄オーナーは、5人から28人をプロテクト枠と言っていますが」
ちさと「5人というのは現実的じゃないわ。エースと強打者しか選手を確保じゃないの」
乃梨子「あえて5人挙げるなら、谷佳知、村松有人、中村紀洋、磯部公一、あと岩隈久志でしょうか」
可南子「岩隈……残るんだ……」
ちさと「ん? 可南ちゃん、岩隈が気になるの?」
可南子「え? いやそういうわけでは……」
ちさと「ふ〜ん(・∀・)ニヤニヤ 可南ちゃんって、ああいうイケメンが好みなんだ」
可南子「ちっ、違います!」
ちさと「(・∀・)ニヤニヤ 顔が真っ赤よ。男嫌いって聞いたけど、結構めんくいなのね」
可南子「そんなことありません!」
ちさと「ムキになるところがかわいい〜」
乃梨子「今日になって急に可南子さんを呼んだのは、つまり弄りたかったんですね」

やる気あんのかライブドア

可南子「何なんなのよ、あのライブドア社長の会見は!(o`□´)o」
乃梨子「昨日の近鉄買収の話?」
可南子「意気込みだけ伝わって中身のない発言が多いし、何よりたった30億で私の大阪近鉄バファローズを買収出来ると本気で思ってるのかしら?」
乃梨子「あなたのバファローズじゃないけど……。まあ、それはおいといて。昨日のライブドア社長の会見を聞く限りでは、期待よりむしろ不安よね」
可南子「30億を提示したってことは、大阪近鉄バファローズの経済的価値は30億しかないってことでしょ。バカにしてるわ」
乃梨子「あれは確かに買い叩きすぎね。合併合意前にオファーがあったとしても、あの額じゃ断ると思うわ。巨人の渡辺恒雄オーナーが、歯牙にもかけなかったのも判る気がする」
可南子「その上、大阪ドームに行ったことがないとか新監督は原辰徳がいいとか『近鉄に特別な感情はない』とまで言い切るし。伝統あるバファローズをなめんな」
乃梨子「今回の会見のあとにライブドアの株価がストップ高になったそうだから、当初の目的は達成したんじゃないかな」
可南子「何よ、目的って?」
乃梨子「この買収話が、ただの売名行為だってこと。冷静に考えれば判ることよ。合併が合意して、パリーグ理事会も通過したタイミングで、今さら買収しますなんて言うのはおかしい。しかも、シーズン前に一度断られてるしね」
可南子「名を売りたいから、形だけの買収話を持ちかけたと言うこと?」
乃梨子「そこまで酷くはないと思うけど、ライブドアに万年赤字の球団を複数年経営できるとは思えない。球団再建の具体案も球団株式公開とストックオプションでは、キック力に欠けるわ。それに、この社長は一番重要なことを忘れてる」
可南子「如何にて大阪ドームに客を呼ぶか」
乃梨子「それ。フランチャイズを大阪にするなら、本拠地を大阪ドームにせざるを得ない。年間10億円以上の使用料を取られると、ロッテやオリックスの試合では利益が出ないわ」
可南子「大阪ドームを観客でいっぱいにしない限り、球団は絶対に黒字にはならない」
乃梨子「その通り。球団の利益はファンの数に比例するから、球団内の経営を改善させても、それは痛み止めに過ぎず、抜本的解決策にはならない」
可南子「もういっそのこと大阪ドームから藤井寺球場に移転すればいいのに。そうすれば、確実に赤字経営から脱出できるわ」
乃梨子「それをあの会見で言ってくれれば、少しはあの社長も評価したわね。もっとも、ナベツネが知らない人は球団を持てないみたいだけど」
可南子「あ〜だれか〜、ナベツネお友だちに皆さま〜。大阪近鉄バファローズを買ってくださ〜い」
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