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プロ野球の明日を考える

可南子「近鉄とオリックスの合併基本合意書に調印しちゃった」
乃梨子「まあ、判っていたことだけどね」
可南子「野球ファンの思いは球団に届かなかったのね」
乃梨子「30日のプロ野球実行委員会と9月のオーナー会議で、最終的に承認されるわけね」
可南子「何よ、その言い方。まるで、すでに合併が決まったみたいじゃない」
乃梨子「決まったんじゃないの?」
可南子「まだ調印しただけでしょ。最近、乃梨子さんちょっと冷めてない?」
乃梨子「現実を見るようにしただけよ」
可南子「志摩子さまの影響で? 」
乃梨子「そうとも言えるけど……」
可南子「志摩子さま、合併1リーグはやむを得ないみたいな考え方ですものね」
乃梨子「合併はやむを得ないと思っているけど、オーナー達が考えている1リーグには反対しているわよ。だから、10球団総当たり戦でも2地区に分けてそれぞれに順位を付ける案を考えたのよ」
可南子「その案は、確かにちょっと面白そうだと思ったけど……」
乃梨子「それに、近鉄はもう死にそうじゃない。親会社が広告宣伝費の補填を止めたら、球団が破産するかもしれないのよ。球団買収話もあったけど、ライブドアより前に一度失敗している。ナベツネの圧力で買収以外の方法を取らざるを得ない以上、もはや再建策は他球団との合併しかないわ。それ以外の抜本的解決策があるなら別だけど」
可南子「昨日、都内で開催されたシンポジウム『プロ野球の明日を考える会』で、古田プロ野球選手会会長が球界改革私案を明文化したわ」

◆古田会長の球界改革私案
(1)球界活性化案
・交流試合の効果的導入
 =シーズンの新しい節目の設定
・2リーグ前提での新球団設立(3年以内の公募)  =最初はパ・リーグにおける8球団化  =これをセ・リーグへ波及させ全国16球団化
東アジアのチームのリーグ加入(5年以内)促進  =韓国、台湾、中国チームを交えた全20球団化
・日本シリーズ後の東アジア選手権の実施
(2)合理的戦力均衡策への私案
・ドラフト完全ウェーバー制導入
・放映権料の一括管理分配の実現
・中堅選手へのFA資格の大幅拡大
・FAの補償金の撤廃
・ぜいたく税の導入
・新規参入球団のエクスパンションドラフトの制度化
(3)年俸抑制への私案
・ドラフトの完全ウェーバー制導入
・Jリーグ型移籍制度(FA制度の大幅緩和)
・高額選手の減額制限の緩和
・ぜいたく税の導入
Jリーグ型経営諮問制度での支出コントロール
(4)開かれた野球界を目指しての私案
〜ファンの意見を球界に〜
・NPB内に有識者および一般から公募したファンを入れた球界改革検討委員会を設置する
・継続的に野球界の問題に関して、ファンのパブリックコメントを求める制度を設ける
重要な問題に関してはNPBのHPでのアンケート調査を義務化する
8月9日付けスポーツ報知2面より
可南子「ここに合併回避&1リーグ阻止のヒントがないかしら?」
乃梨子「ないわね。何故なら最も導入すべきことが1つ抜けてるから」
可南子「まさか、サラリーキャップ制度?」
乃梨子「そうよ。サラリーキャップとは、各チームが使用できる最大給与額を毎年規定すること。リーグの総収入の約60%を選手の総給与額とし、それを球団数で割りサラリーキャップ額とする制度よ。FAによる年俸高騰を抑え、かつ戦力の均衡も図れる。はっきり言って、ぜいたく税(ラグジュアリー・タックス)よりも遥かに即効性があるわ」
可南子「う〜ん、それにはちょっと同意かな。ぜいたく税を導入してもメジャーリーグの年俸高騰を抑えられなかったし。でも、サラリーキャップ制度を導入するなら、各球団が収支報告書を開示する必要があるわね」
乃梨子「実は、今回の近鉄とオリックスの合併がこれほど選手やファンを混乱させたのは、近鉄球団の危機的状況を誰も理解してくれなかったことよ。これを理解させるために、近鉄は、恥を忍んで今の収支報告書を開示しなくてはいけなかった。そうすれば、近鉄の経営がどれほど危ないか判るし、選手やファンも少しは納得してくれたはずよ」
可南子「選手とファンが納得する球団合併なんてあるとは思えないけど」

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