さて、過越祭と言われている除酵祭が近づいていた。祭司長たちや律法学者たちは、イエスを殺すにはどうしたらよいかと考えたていた。彼らは民衆を恐れていたのである。しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談を持ちかけた。
新約聖書『ルカによる福音書』22章1節〜4節
イエスは、「私がパン切れを浸して与えるその人だ」と答えた。それから、パン切れを浸して取り、イスカリオテのシモンの子ユダにお与えになった。ユダがパン切れを受け取ると、サタンが彼の中に入った。そこでイエスは、「しようとしていることを、今すぐ、しなさい」と彼に言われた。
新約聖書『ヨハネによる福音書』13章26節〜27節
志摩子「これを読んで、本気で悪魔が入ったと考えるのはオカルティストくらいね」
乃梨子「「中傷する者」「訴える者」という本来の意味合いが強いのかな」
志摩子「そう考えるのが妥当ね。その話は、ひとまず置いておいて。二つ目は、お金を貰うことが目的だった説」
そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで銀貨三十枚渡すことにした。その時から、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。志摩子「12使徒の中でイスカリオテのユダは会計係を務めていたわ。それだけに、他の11人よりはお金に対する執着も強かった。それを証明するエピソードがこれ」
新約聖書『マタイによる福音書』26章14節〜16節
ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談を持ちかけた。彼らは喜び、ユダに金を与えることに決めた。ユダは承諾して、群衆のいない時にイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。
新約聖書『ルカによる福音書』22章4節〜6節
弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った。「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。志摩子「イスカリオテのユダは、会計係をという務めをいいことに横領していたのよ。彼は恐らく、ナルドの香油を高く売って、その売り上げの一部をピンハネするつもりだったのね」
新約聖書『ヨハネによる福音書』12章4節〜6節
きーんこーん かーんこーん
志摩子「あら? 予鈴がなってしまったわ。続きはまた明日ね」つづく