なぜなにマリみて"ロザリオは信仰の証（上）"

乃梨子「ねえねえ、お姉さま」
志摩子「なーに、乃梨たん」
乃梨子「お姉さまから貰ったこのロザリオって、代々受け継がれているんですよね？」
志摩子「詳しくは判らないけど、そうじゃないかしら」
乃梨子「最初にロザリオを渡した人は、やっぱりクリスチャンだったのかな？」
志摩子「それは、多分違うと思うわ」
乃梨子「え？」
志摩子「だって、ロザリオは首に掛けないもの」
乃梨子「ええっ！？」
志摩子「多くの人が勘違いをしているけど、ロザリオというのは首に掛けるアクセサリーではないわ。主イエス様とマリア様へお祈りを捧げる際に使う数珠なのよ」
乃梨子「私が持っている、あの数珠と？」
志摩子「そうよ。だから普段は、いつでも取り出してお祈りできるようにポケットや鞄に入れておくの。そして、これが本物のロザリオね」

志摩子「十字架とその上にある５つの小珠。１つの大珠（メダイ）。１０連の小珠。元々ロザリオの祈りを唱える時に使うものだから、これらがないものをロザリオとは言わないの。十字架の代わりに御メダイを使うことはあるけどね」
乃梨子「ロザリオの祈り？」
志摩子「主イエス様とマリア様の生涯を黙想しながら天使祝詞（アヴェマリア）を１５０回唱えるお祈りよ。ロザリオの大珠（玄義）１つと小珠（天使祝詞）１０個を１連として、５連で１環。それを３環くり返し唱えるの」
乃梨子「１５０回！？　途中で数え間違えたりしませんか」
志摩子「その為にロザリオがあるのよ。指先で珠をくくりながら一つずつ唱えれば間違えないでしょ」
乃梨子「なるほど。このベネチアングラスのビーズはただの飾りじゃなかったんですね」
志摩子「飾りじゃないのよロザリオは HA HAN♪」

つづく