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『Sachiko&Yumi』
第5幕 第2場 シスター佐藤の庵室

可南子「シスター佐藤さま! もしもし、聖さま!」
聖「そういう声は可南子の声ね。
 ご苦労様、どうだった、祐巳ちゃんの返事は?
 それとも手紙になっているなら、早く見せておくれ」
可南子「それが、手紙を託した者が体育の時間に脚を怪我をしてしまって、小寓寺へ向かうのが遅れてしまったのです」
聖「じゃ、私の手紙は、だれが祐巳ちゃんへ届けてくれた?」
可南子「私が代わりに向かいましたが、ずっとお留守で……」
聖「大事な手紙なのよ! 命に拘わることなの!
 あと3時間内には、祥子が目を覚ますはず。
 もしこのことが、祐巳ちゃんに知らされてないと判ったら、さぞかし祥子は私を責めるでしょうね。
 とにかくもう一度、小寓寺宛てに手紙を出し、祐巳ちゃんが来るまで、祥子は私の庵室に預かるとしましょう。
 可哀相に、死人の墓に入れられて、生きた屍というわけね!」

次回……第5幕 第3場 リリアン女学園の教会

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